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京都御苑探鳥会

 天候は曇で肌寒い。先に集合地に到着していた仲間がビンズイを見つけていてくれたが、この後、中々めぼしい鳥が現れてくれない。近衛邸跡に着く前、地面で餌を漁るシロハラに会ったぐらい。この後、また”空白”の空間と時間が過ぎ、明治天皇生誕の地に至って、やっとイカルの集団と、これに混じるシメを発見。彼らは、イチョウと近くの高木に分散していた。

 この後、一気にバードバスへ、写真屋さんと皆さんの後ろからちらりと覗くと、ルリビタキが見えたが、他の鳥たちも姿を現したそうである。この近辺で耳をすますと様々な鳥の声が聴こえてくる。シロハラ、ツグミ、先ほどのルリビタキの地鳴き、メジロは時々囀りを交える。コオロギの里に入ると、間近でシロハラが騒ぐ。我々に対する警戒声であろう。迎賓館の甍(棟瓦)にアオサギが止まり、辺りを䀻睨(へいげい)している。胸の縦斑は淡く、全体が白っぽい。頭の飾り羽を翻し、首と脚をシャンと伸ばした姿は威厳を感じさせる。鳳凰気取りなのであろう。清少納言は「サギは、見るからに不格好で、目付きも悪く狡賢こそうだ」と言っているが、現代人とは、ずいぶん感覚が違うようだ。

 と、ある高木にツグミの集団。代わる代わる、近くのクスノキの方へ移動する。この実を食べるため、と思ったが、そればかりではなく、メタセコイアに残っている松毬(かさ)から種子を啄んでいる。英書では enucleate*と表現しているが、始めて読んだとき、己の知っている日本語の意味と余りにも違ったので、ぎよっとしたことを思いだす。
 これから先、解散地に到着するまで出会った鳥は、内裏南塀にセグロセキレイ、イロハモミジの枝の孤独なアトリ、遠くから聴こえたハクセキレイの声、九条池のマガモとカワセミぐらいのものであった。(*enucleate: [動] [injúklièit | injú-] (他)《医学》〈できもの・眼球などを〉摘出する)
             京都御苑探鳥会(12月19日) T.U wrote

●見聞きした鳥
アオサギ、マガモ、トビ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、ルリビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、アトリ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 27種

●開花: サザンカ、ツワブキ
●植物の実: トベラ、イヌマキ、センダン、ネムノキ、ムクノキ、エノキ、クスノキ

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