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京都御苑探鳥会

 曇りだが、ときに小雨、また青空も覗く。事後に誰かが「何でもあり、ですね」と、つぶやく。「今、冬鳥はいかが ? 」との問いに、当御苑の主は「芳しくない」というので、少々滅入る。

 集合地でイカルの声。典型的な歌ではない。それにソウシチョウの声にも似ている。近衛邸跡でビンズイを発見。だが、”樹上” とは、いまどきには珍しい。近衛池の南のコーナーにアオサギが佇む。彼は、普段のように “すっく” と立ってはいない。背を丸め、長い首を屈めている。あの哲人の威厳も矜持(きょうじ)も、かなぐり捨てている。池端の高木に 5~6羽のイカル。柔らかいキョッ・キョッと、ぐぜり。東に回ると、シロハラの地鳴き。彼も地面ではなく、灌木を移動しながら鳴いているようだ。

 中山邸跡南の芝生に、やっと 3羽のビンズイ。しかし、彼らも、すぐに樹上に飛び立つ。イロハモミジの枝であったろうか ?、孤独のシメがひっそりと止まっている。小鳥の水場の近くにアトリ。近くの樹上にカラ類やメジロなど。母と子の森の高木でイカルが、ざわついている。数は多そうだ。コオロギの里に入って、迎賓館東北隅の大エノキにイカルが群がっている。「5~60羽か、いや100羽はいる」との会話の中、「200羽 !」という声がかかる。まるで魚市場の “せり” のごとし。大勢で、鈴なりの実を割る音が凄まじい。この後、一斉に飛び立った。その有様から 200羽という見積もりは、正しかったようだ。こんな大群には、初めて出会った。

 大宮御所北の芝生に !0羽ほどのビンズイ。彼らはヒトの接近にも、平気で餌をあさっている。いつもの観察者は一安心。大宮御所西の疎林で、わが新人の一人が美しい鳥を発見。アオバトの雄と判明した。おめでとう !
 急いで本日の観察の概要を記そう。例年見られる冬鳥はほぼ出揃っていた。しかし、彼らの多くは、この時期には珍しく、地上ではなく樹上に見られた。木の実や、樹上で越冬する昆虫の卵などが豊富なせいではなかろうか。
          京都御苑探鳥会 2013年12月15日 T.U wrote

●見聞きした鳥 天候: くもり雨
アオサギ、マガモ、トビ、キジバト、アオバト、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、アトリ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 27種

●果実
ムクノキ、エノキ、クロガネモチ、イイギリなど

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