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御室~宇多天皇陵探鳥会

 初め、参加者の出足は鈍かったが、最後は総勢 18名に達した。層雲たれこめるなか、鳥の出足も鈍い。仁和寺境内を歩くうち、小声で、途切れ途切れに “チッ” と鳴く声が聴こえる。少し濁っているが、鳥に違いない。後ほど、このとき近くで、コサメビタキの幼鳥の姿を見たと言う報告を受ける。さては、この鳥が先の声の主であったか ? この声を忘れずにいよう。

 市営墓地を通過して疎林に入っても、鳥の声はヒヨドリとウグイスだけ。いつも見聞するキビタキは不在か、と漏らした途端、その歌が聴こえてきた。健在を喜んだが、だれも姿を発見できず。山道沿いで、うるさいほどまとわりつく “蛾” と蜘蛛の巣を払いながら進む。細道の斜面にウラジロの群落。いつも見る大型の羊歯だが、正月の飾りしか知らない方が、目を見張っていたのが面白い。キビタキがもう一羽、囀った。

 宇多天皇陵に近づくと、ホトトギスの声。何声か披露したが、すべての参加者が聴けただろうか。御陵入口の鍵をはずすと、何と、今年はササユリが健在ではないか。皆さん喜しそう。膨らんだ蕾は、二三日中には咲くだろう。

 御陵の正式参道を下る途中、いつものアオモジが実をつけている。K氏に促されて噛んでみると、胡椒と山椒の混じったような、複雑な味と香りがする。材は、クロモジ同様、爪楊枝に使うそうだが、実も恰好な香辛料になるとみた。だが、売り出すほど多産はしまい。周辺、ネジキの落花が著しいが、ソヨゴの花と実が見当たらない。今年は不作か ? どなたかが、撮ったばかりのキンモンガの近接写真を見せてくれた。

 原谷街道を横切り、「ミニ八十八カ所」に、途中合流する。すぐさま、メジロ一家が (ネジキであったか) 吸蜜中。楽しんだのは、先頭の数人であったのが残念。この先で、路上に突き出した枝にキクラゲ (の一種 ?) がへばり付いている。下る途中の池二つで、モリアオガエルの卵塊を見る。それぞれ一個づつだったから、ここには親の個体数が少ないに違いない。池の上を飛ぶギンヤンマを見たと言う報告。クロスジであったかどうかは不明とのこと。この下り道周辺は、スギとヒノキの植林地が続き、めぼしい鳥は見聞できず。

 最後の池では、今年もコウホネが花をつけている。仁和寺の五重塔に戻るとほっそりしたカメムシが寄ってきた。ヨコズナサシガメではないかという。解散後、目の前の芝生をハシボソガラスが悠然とと闊歩している。今日初めての出会いだ。
          御室~宇多天皇陵探鳥会(6月10日) T.U wrote

●見聞きした鳥
キジバト、ホトトギス、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、キビタキ、コサメビタキ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 16種

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