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京都御苑探鳥会

 夏の暑さの反動か、涼しい日が続く。早めに着いて近衛池に行ってみる。通過中の夏鳥の気配が感じられないどころか、地元の鳥たちの影も薄い。ちょっと心配。でも、参加者は35名に達した。

 キンモクセイの香りが少しきついなか、近衛池へ、カワセミが飛び、池の隅ではアヒルが採餌中。他は寂しい限り。中山邸跡前を通り、北に曲がったところでツルボの花を見ていると、コサメビタキがいるとの声が追いかけてきた。その中山邸跡の高木に、明るい腹を見せるコサメを確認。すべての人が、その姿を堪能できたのは幸い。慧眼の持ち主が、この近くでムシクイの仲間を見たという。おそらくメボソかセンダイ(多分後者)であろう。
 この邸跡の東に、道を挟んで、地表近くまで枝を垂らしたムクノキの大木がある。毎秋、その実を賞味してみるのだが、この日はまだ青々として食べる気が起こらない。だが、月末以降には甘く熟して、様々な小鳥の”ご馳走”になるはずである。

       キンモクセイOsmanthus fragrans var. aurantiacus モクセイ科

 母と子の森に入る。小鳥の水場には、相変わらずカメラの砲列。写真屋さんの一人はシジュウカラだけだという。近くに目立つ鳥の姿も声もない。と、ここの南からクマスズムシの声が聴こえてくる。高く澄んだ声である。迎賓館の西の疎林に移動。ここは、コオロギの里と呼んでいるだけに、鳴く虫が多い。目立ったのはクサヒバリ。そして、またしてもクマスズムシの声。”クマ”は熊ではないと知っていたが、電話で探虫会の講師、細井さんに尋ねると、漢字の表記はないと思うが、小さな可愛らしいという意味だそうだ。
 栃の実の殻は落ちているが、実はすっかり拾われてしまった。相変わらず、めぼしい鳥はいない。高木で、二三羽のハシブトガラスが騒いでいるだけだ。が、注意深い仲間が双眼鏡で覗いて「フクロウが苛められている」と叫ぶ。皆が、それを確かめる。明るい羽の個体だった。今年育った若鳥だろう。オオタカなどと違い、この”賢者”、なかなか逃げようとしない。また、御苑を活動の根城とする仲間は、フクロウは、ここでは滅多に見られないと言う。
 これから先も、期待してた鳥は不在。九条池も静かだったが、突然、アオサギが飛来。散会直前、ムクドリも出現。鳥合わせで、キビタキがいたとのヴェテランの報告にびっくり。帰りがけにウグイスの笹鳴きも。
              京都御苑探鳥会(10月2日) T.U wrote

●見聞きした鳥
アオサギ、トビ、キジバト、フクロウ、カワセミ、コゲラ、ショウドウツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、キビタキ、コサメビタキ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 22種

●目立った昆虫(既出以外)
エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、ミツカドコオロギ、カネタタキ、アサギマダラ、キチョウ、センチコガネ

●花と実
キンモクセイ、ヌスビトハギ、アレチヌスビトハギ、ミズヒキ、ヤブミョウガ、クロガネモチ、モクレン

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