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比叡山探鳥会 7月

 ケーブルを降りて間もなく、ホトトギスの雌の声が出迎えてくれた。「幸先いいぞ ! 」と思ったものの、その後は中々めぼしい鳥が現れてくれない。植物好きの多い一行は、道端の花や実に目を配りながら、耳をそばだてる。

                    カクミノスノキ

 メジロやヒガラの歌に混じって、アオバトが、アー・オー・アーオ・アオ。オアオー” と、抑揚のある、のんびりとした声を聴かせる。スキー場で、ホオジロと、珍しく杉の樹上で鳴くウグイスをじっくり観察した後、大原を望む北向き斜面でクロツグミ、キビタキを聴くが、いずれも遠い。
 滋賀県との府県境の「キララ越え」手前で、旧ケーブル駅跡を通る林道を下る。半世紀ほど昔、黒谷青竜寺へ通った道である。ここで、キバシリの囀りを耳にするが、姿を見る幸運に恵まれた人はいなかった。
 今回は釈迦堂には寄らずに、西塔駐車場から浄土院へ向かう。ミソサザイが大声で歌うが、姿を発見できず、みんなイライラ気分。鬼用に造られた”大股階段”を登りつめた山王院で昼食。ヒヨドリの雛が、何ともおぼつかない足取りで木の枝を伝う。図体は成鳥なみだが、まだ甘え声で親に餌をせがんでいる。これを楽しんでいると、突然、アオゲラのけたたましい叫び。
 自動車道を跨ぐ陸橋を渡って、帰り道に入った途端、傍らの林からキビタキの、ヒッ・ヒッ・ヒッ・.. ..というピッチの速い、激しい地鳴きが聞こえる。その近くに、時々囀りの一節で合いの手を入れる奴がいる。この2羽、一体、どんな組み合わせなのだろうか ? この後、やっとセンダイムシクイの下手な歌を聴く。だが遠い。ここはまた、いつもオオルリが歌う場所だが、本日はまったく鳴いてくれない。ケーブルの山上駅近くで、アオゲラの声と姿を堪能した人たちあり。解散の後で、トラツグミの透明な笛の音が響いてきた。

                    スジクワガタ(雌)

 本日の一番の収穫は、虫好き、鳥好き、いや自然なんでも好きという、若い女性新人を発見できたこと。間もなく、わが会の仲間となるはず。T.U wrote

●見聞きした鳥(文中に登場したものの他)
ツツドリ、コシアカツバメ、ヤマガラ、ジジュウカラ、イカルなど 29種
●咲いていた花
ナツツバキ、イワガラミ、ヤマボウシ、ノリウツギ、ヤマアジサイなど

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