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メジロ張り

二条城にある国宝・二の丸御殿はウグイス張りの廊下で有名です。人が歩くと音が鳴って警報するという、言わば江戸時代のセコムみたいな装置です。

                   (二条城の二の丸御殿)

その仕組みは、板と根太を釘で固定せず、下の写真のように2本の金具で引っ掛けるだけにしておいて、体重が加わると上下に動き、木がこすれて音が出るというもの。

                  (ウグイス張りの仕組み)

実際に歩くと「キュルキュル…」と鳴ります。しかし、その声はどう聴いてもウグイスではなくメジロ。しかも、人が近づいたり、敵が近づいた時に発する警戒音に良く似ています。
そこで、ハタと気がつきました。人が近づくと発する音を鳥の警戒音に例えて、本来は「メジロ張り」と呼ぶべきところ、昔の人はメジロとウグイスを混同していたので「ウグイス張り」と命名してしまったのではないか。
ウグイスの体色はウグイス色ではなくメジロがウグイス色、「梅にウグイス」ではなく梅の枝によく止まるのはメジロというのはバードウォッチャーの常識。こうした間違いは、昔の人がメジロとウグイスを混同していたから生まれたわけですが、「ウグイス張り」もその例ではないでしょうか。
ウグイス張りの廊下は二条城に限らず各地にあるようですが、正しくは「メジロ張り」と呼ぶべきであるというのが私の新説です。

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3件のコメント

  1. mittairen

    Unknown
    ウグイス張りならぬメジロ張りの説、大変興味深く読ませて頂きました。
    本当に仰るとおりではないでしょうか?。今まで何故気がつかったのか、不覚とさえ思ってしまいました。
    これからは、野鳥の会としてその節を広げていこうではありませんか?
    北野の天神さんで鳴いてる人工ウグイスの声だってとっても不自然に感じてました。

  2. fagus06

    Unknown
    mittairen様、私の新説にご賛同いただき、ありがとうございます。
    二の丸御殿を見学した際、隣を歩いていた観光客が「ウグイスというよりヒヨコの声みたい…」と話しているのを耳にしたのが、新説を思いついたきっかけです。
    最初は単純に「メジロの声に似ている」と思っただけでしたが、後日メジロの警戒音を耳にして、あの仕組みは警戒警報をメジロの警戒音になぞらえているのではないか、と思うようになりました。
    是非、この新説を広げてください。とりあえず、二条城の説明パンフレットで披露してもらいましょうか(笑)。

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