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野鳥の所有権

ガンカモ調査で訪れた競馬場の池にはカモのほかに数十羽のコブハクチョウがいました。もちろんWild Birdではなく、外来の飼育鳥。本来の生息地はヨーロッパで、一般的に「白鳥」と言えば本種を指すようです。

面白いことに、イギリスでは野生のコブハクチョウはすべて王室の所有物とされています。12世紀に成立した法律でそう定められ、白鳥を殺したり傷つけたりすると反逆罪になるとのこと。
実際、一昨年の8月、テームズ河畔でコブハクチョウが捕獲されてバーベキューにされる事件が発生し、警察が犯人を追っているというニュースが流れました。
とんでもない話ですが、白鳥を食べるという習慣はヨーロッパに伝統的にあったらしく、晩さん会などで高級料理として白鳥の肉が供されていたようです。そう言えば、日本でも江戸時代には鶴を高級料理の食材にしていました。
それにしても、野生の白鳥はすべて王室の所有物という発想はスゴイですね。世界広しと言えども、法律的に所有権が認められている野鳥は、イギリスのコブハクチョウだけでしょう。
ただ、現在のエリザベス女王は、テームズ川とその支流の一部流域に生息する個体だけに所有権を限定しているとのこと。そして、王室として毎年そのエリアで生息数調査を実施しているそうです。

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