葉がすべて落ち、赤い実だけが残る柿の木は初冬らしい光景です。
昔から、柿の実を全部は採らないで2~3個残しておくという風習があります。これを「木守柿(きもりがき)」と呼ぶそうです。
「来年もたくさん実が成りますように」という願いを込めると同時に、冬になって雪で餌が採れなくなった鳥のために残しておくという意味があるとか。
この時期、その木守柿を食べる鳥の姿がよく見られます。
木の実を人間が独占するのではなく、他の動物のために残しておくという発想には温かいものを感じます。
鳥と木の関係から推測すれば、柿の実と一緒に食べた種を別の場所で排泄し、そこからまた新しい柿の木が生える。木の実を残すことによって、鳥を守り、柿という木も守る。そういう自然の摂理を、昔の人は「木守柿」という言葉で表現したのではないでしょうか。
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