2013.11に「東京近郊野鳥撮影地ガイド(山と渓谷社)」2013.4に「♪鳥くんの比べて識別野鳥図鑑(文一総合出版)」そして、2014.6に「鳥ビア(アスペクト出版)」一年で3冊の著者本を出版して、すっかり燃え尽き症候群で気分は灰。灰はある意味HIGHかもしれないと思いながら、出版以後、大量に仕事が舞い込んでいるにもかかわらず、なんだかんだとフィールドに出かけてしまい、燃え尽きた気分は、フィールドに出かけて、リフレッシュどころかへとへとになっていることが多々あるからかもしれないと思ったりする。
小学生時代から、バードウォッチングをはじめて気づけばおよそ30年。人も環境も、野鳥の周囲をとりまく環境はかなり変化した。自転車をちゃんと止めもせずに倒したまんま、雨の日でも、雪の日でも、川の中に入って野鳥を見たあの頃。そういうことすら、なんだかいけないことをしているかのような風潮になり、見慣れた景色、大好きな場所がどんどん失われていき、野鳥たちも、姿を消した。それでも、なんとか野鳥たちは命をつないでいる。当時、都内で見られた種類のうち半数ほどは、見ることがほとんどできなくなってしまった。完全にいなくなったものもいる。彼らを守りたいという気持ちで破裂しそうだった。なにもわからない子供ながらに、少ない情報や考えて、マイ箸を持ってみたり、コンビやスーパーで袋いりませんと言ったりしてみたが、何かが違った。
親戚が、渡良瀬遊水地や生田緑地などで、自然保護活動をしているのを長くみてきた。ずっと、そのことは頭にありながら、バードウォッチングをしていた。彼女は、ラムサール条約登録により、自然保護とは逆行していくことを心配しながら、活動を続けている。そんな活動を見ながら、自分ができることはなんだろうか。やりたいことはあるが、やった方がいいことはなんだろうかと考えるようになった。
歌手から、♪鳥くんになり、知名度は低いながらも、ニーズがあり、僕の話しを大勢が聞いてくれる機会を持つことができる。鳥の魅力を大勢に伝えて、一人でも多くの人に、まずは鳥を見てもらい、好きになってもらえるような活動をしようといつしか思うようになった。
近年は、研究が過熱気味で、なんでもかんでも足環や発信器をつけて、それらの調査に参加することが、ステイタスのようになり、バードウォッチャーを軽視する人も多い、尊敬していた研究者が飲み会の席で「鳥を触ったことがなければ、プロじゃないよ。あいつは触ってないだろ」と知り合いのプロカメラマンの悪口を言っているのを見て、こういうことを言っている人たちが、「野鳥の研究や保護」をしているのでは、野鳥たちの未来は暗いなと思った。
「野鳥観察」は、いまだに、小難しい、勉強テイスト、学者たちの分野のようになったままだ。実際にはあれこれとこ難しいものではなく、近所のスズメでも「見よう!聞こう!」と思っていれば、それがバードウォッチングだ。気軽で手軽、身近なものだ。
カワセミが川の上でホバリングして、魚をみつけてダイビング。捕えた魚を木の枝にたたきつけて飲み込む。これを見たときから野鳥にはまった。
彼らの生活を垣間見るときが一番わくわくする。野鳥たちの生活をそっとのぞいてみないとわからないことがたくさんある。結論ありきでない、彼らの生活を伝えたいと思い、講演会で話してきた。
10年前から野鳥の撮影をはじめ、図鑑的で、識別に役立つ、その種類の特徴がよく出た枝かぶりなし、真横で撮影を心がけてはいた。それを撮影しようとすると、彼らをおどろかさないように自由に動いてもらう状況でなければ、撮影は困難だったので、彼らのさまざまな姿を見て、それも同時に撮影する結果になった。とくに5年ほど前からはじめた「比べて識別・図鑑670(文一総合出版)」の制作のために貪欲に撮影していたので、多数の生態写真があるので、それらを見てもらいながら講演をしてきた。
講演会で話していたこと、見てもらったものをまとめたものが「鳥ビア」だ。
人と鳥のかかわりや、彼らがやっていることはどんなことなのかがわかってもらえればと野鳥に関わる人たちのインタビューをくわえた。
この本を読んで、鳥が好きになり、鳥に興味をもつ人が一人でも増えてもらえればと思う。
バードウォッチングを通して、自然に歩みよる人が増えてくれればと思う。歩み寄れば、自然はこちらに近づいてくる。むちゃをすれば逃げて行く。 ♪鳥くん(永井真人)wrote
鳥くん、そのころ文一のバーダーって雑誌を毎月とってたので、それで初めて知ったんだと思う。悪いけどチャライのがでてきたな、ってのが第一印象だ。それからカモメの識別みたいな本か記事を読んだ記憶がある。
「あっ」と思ったのは、毎年あるのだが “ジャパンバードフェスティバル” で彼の鳥の歌を聞いてからである。なんか引かれるのだ。彼はここのところ立て続けに図鑑などを出版、テレビでも注目を集めているようだ。そして♪鳥くん-永井真人の出現によってバード・ウォッチングの世界が少しずつ変ってゆくような気がするのである。
今回、彼に最新刊「鳥ビア」を紹介していただく。これから鳥見を始めようって人はもちろん、探鳥会の担当者などにも一読をお薦めする。
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