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鳥の社会貢献

 横断歩道の青信号の音を思い出してください。ほとんどの場合「カッコー、カッコー」または「ピヨピヨ、ピヨピヨ」です。カッコウとヒヨコの擬音ですが、「カッコー」は東西方向(または主道路)、「ピヨピヨ」は南北方向(または従道路)の横断歩道を示していることはご存知でしたか?
みなさんもそうだと思いますが、バーダーの習性で、街の雑踏の中でも鳥の声がするとつい聞き耳を立てます。例えば、私がたまに乗り降りする大阪・環状線の京橋駅ではホームのスピーカーからこんな声が聞こえてきます。(音声ファイルがアップできないので動画でアップします)

    

 日本三鳴鳥の一つコマドリです。さらに、たまたま仕事で通った阪和線の美章園という駅では、サンコウチョウのさえずりが流れていました。

    

 以前は、大阪環状線の福島駅のホームでミソサザイのさえずりが聞こえてきました。カッコウやウグイスなど一般によく知られている鳥の声ならともかく、こんなマニアックな鳥の声が大都会の真ん中で聞こえてきたので、一瞬耳を疑いました。

    

 「なぜ駅で鳥の声が?」と不思議に思って調べてみると、国交省の指導でした。駅のバリアフリー化が進んで、視覚障がい者が公共交通機関を利用する機会が増えたので、いろいろな音で誘導するようにガイドラインを作成したのです。
例えば、改札口や地下鉄の地上出入口では「ピンポーン」、トイレでは「向かって右が男子トイレ、左が女子トイレです」と音響で知らせるように指導しています。そして、ホームの下り階段では、転落事故を防ぐために「鳥の鳴き声を模した音響」を流すようにガイドラインに明記しています。
横断歩道の「カッコー」は視覚障がい者に東西南北や道路の大きさを知らせるため、駅のさえずりは下り階段の位置を教えるため。鳥も意外なところで社会貢献しているんですね。
さて、そろそろ鳥の多彩なさえずりが楽しめる季節。京都支部では「鳥の声を聴く」と題する室内例会を開催します。「さえずりや地鳴きで鳥を識別したい」という方は、ぜひご参加ください。

  ◆室内例会「鳥の声を聴く」4月7日(土)  
  講師 内田 孝、澤島哲郎
  集合 午後1時30分 ラボール京都(地図)(中京区四条通御前西入る)地階南会議室
  交通 阪急京都線「西院」下車、東へ300m 嵐電「西院」下車東へ100m
     市バス「四条御前」下車、すぐ。
  準備 野鳥図鑑 
  担当 速水 厚・猪口・石川順

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