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雅楽と鳥

宇治川と木津川と桂川の合流地点から少し下った右岸に「鵜殿(うどの)」と呼ばれるヨシ原が広がっています。
この冬、そこにコホオアカが来ていると知って見に行ってきました。京都支部の記録によると府内では過去3回しか観察されておらず、私も見たことありませんが、淀川の中流域には毎年渡来するようです。

    

この鵜殿のヨシは他の地域のヨシと違って茎が太く、繊維が緻密なことから、雅楽に使われる篳篥(ひちりき)の蘆舌(ろぜつ・洋楽器で言うリード)に最適とのこと。宮内庁の雅楽部は、この鵜殿のヨシしか使わないそうです。
ところが、その貴重なヨシ原の上を新名神高速道路が通る予定で、橋脚がヨシの地下茎に悪影響を及ぼす、高速道路を煙が包むと危険なためヨシ焼きができなくなるなどの理由から、コースの変更を求める運動が進められています。
篳篥の演奏家である東儀秀樹さんは、その運動の発起人の一人として、昨年11月に国交大臣と面会して見直しを申し入れました。その後、政権が自民党に移り、大臣も替ったのでどうなったか知りませんが、署名活動はまだ続いています。
鵜殿のヨシ原にはコホオアカ以外にもさまざまな鳥がいました(下の動画)。このほか、ツグミ、ヒバリ、カワラヒワ、ホオジロ、アオジ、ウグイス、カワセミ、ケリなど、河川敷やヨシ原をすみかにする野鳥がたくさんいて、飽きることなくバードウォッチングが楽しめました。

    

鵜殿は雅楽器にとってなくてはならないヨシ原ですが、野鳥にとっても聖域です。できることならヨシの生育に影響がないように、少しだけルートを変えてほしいものです。
「SAVE THE 鵜殿ヨシ原~雅楽を未来へつなぐ~」のサイトには、雅楽と鵜殿のヨシのことが詳しく書いてあります

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