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半国山探鳥会

 12時頃から雨という予報のもと、参集したのはIさんただ1人という新記録(?)の探鳥会になった。登山口のある「赤熊」でバスを降りると、なんと空は快晴。あちこちからモズの高鳴きが聞こえてくる中を、音水渓谷に沿って登り始める。林道の終点からは、幅は広いけれど大きな石がごろごろして歩きにくい山道になる。渓谷には小さな滝がいくつかかかっていて目を楽しませてくれるが、肝心の鳥は声もほとんど聞こえない。気温が比較的高いので、なだらかな道にかかわらずけっこう汗が出る。

 谷を詰めて標高約600mの峠に着いたのが10時。山頂を目指して尾根を登る。カラ類やコゲラなど、鳥の声がやっと聞こ出した。この辺りからの雑木林は美しい紅葉に彩られている。真赤なツタやツタウルシ、シラキ、黄色いタカノツメやコシアブラ、色合いの変化に富むウリハダカエデなど、樹木博士のIさんに教わりながら、10時半過ぎに標高774mの広い山頂に着いた。山なれたIさんは足が速く、到着は予定より半時間ほど早い。

 このころから天候が変わり始め、空はあっという間に雲に覆われてしまった。この山は、播州、丹波、摂津の半分ずつが見えるので半国山という名がついたという。山頂南側の樹木が伐採されていて、天気が良ければ山名通りの素晴らしい眺望を楽しめるのだが、濃いもやで遠くの山はかすんでいる。山頂ではノスリやハイタカ属の渡りを期待したが、今日はさすがに無理なようだ。風が強くなってきたので早めに昼食を済ませ、11時半に下山開始。

 金輪寺へ向かう山道の途中から雨が降り始めた。時計を見るとちょうど12時。天気予報の正確さに感心する。もう鳥は期待できないので、降りしきる雨の中を足早に進む。道端には色鮮やかな赤い実をつけたミヤマシキミが多く見られた。12時半過ぎに金輪寺に到着。このお寺は鎌倉時代に創建された天台修験道の寺院で、境内にある五重石塔は国指定の重要文化財である。ここで雨宿りを兼ねてしばらく休憩した後、山道を里へと下る。少し足を伸ばして宮前バス停まで歩き、鳥合せをした後、予定通り14時39分のバスで帰途についた。                               半国山探鳥会 (11月1日) Σ

        ツタウルシ Rhus ambigua Lavall. ex Dipp. ウルシ科

●見聞きした鳥
キジバト、コゲラ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ヤマガラ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 9種

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          ミヤマシキミSkimmia japonicabミカン科

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