もともと「鳥枯れ」の真夏の例会として始めた私市自然観察会ですが、「やっぱり木や草の花が見られる初夏に」ということで、2014年からは6月下旬に、昨年からは6月上旬に実施するようになりました。
大阪市立大学付属植物園は、展示標本だけでなく奥の自然林で自生の植物が観察できるのが魅力。野鳥の種類はそれほど多くないですが、植物や虫などの自然観察には最適のフィールドです。
イソヒヨドリが美しい姿と声で迎えてくれた私市駅を後にして入園し、日本産樹木見本園から温帯南部型落葉樹林へ足を運びます。担当のKさんから「ムラサキシキブは花が上向きに、ヤブムラサキは下向きに咲く」などの解説を聞いたり、周囲を飛び回るチョウをみんなで同定したりしながら山道へ…。写真を撮る人、解説をメモする人、中には花をスケッチする熱心な参加者もいます。
ササユリ
山道を下ると、いつもの場所にササユリが咲いています。そして、いつもどおりユリノキ広場で昼食です。その周りをツバメが地面すれすれに飛び回り、「飛びながら幼鳥に餌をやってます」と参加者。さすが会員、おにぎりを頬張りながらも観察を怠りません。
ツチアケビ
午後はいつもどおりツチアケビを観察して再び山道へ。カクレミノの葉が若木では不定形ながら老木になると丸くなる話の際、「人間が若い時はとんがっていても、年を取ると丸くなるのと同じです」というと、「うちの夫は年を取ってもとんがっています」と参加者の声。一同が爆笑しました。
ヒョウタンボク
一方、全ての部分が有毒なキョウチクトウ、実が有毒なエゴノキやヒョウタンボクの話が出たこともあって、「野外有毒植物講座」のような展開もありました。ホタルブクロが咲いている場所では、担当のKさんが自宅から持参した花の花弁を割いて雄しべと雌しべを示しながら、虫が花粉を媒介する構造を説明しました。 私市自然観察会 2017年6月11日 K.S wrote
●見聞きした鳥 天候:
キジバト、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ムクドリ、イソヒヨドリ、キビタキ、スズメ、ハクセキレイ、ホオジロ 15種
●木の花
トケイソウ、ネジキ、ヤブムラサキ、ムラサキシキブ、キョウチクトウ、アブラギリ、ナンテン、メズミモチ、ハナキササゲ、ウツギ、ウメモドキ、ブラシノキ、タイサンボク、カナメモチ、フユボダイジュ
●草の花
ホタルブクロ、ハルジョオン、ヒメジョオン、イチヤクソウ、ムラサキカタバミ、ニワゼキショウ、ノアザミ、ドクダミ、ニガナ、ササユリ、ツチアケビ、ムラサキツユクサ
●虫
ベニシジミ、クロアゲハ、コジャノメ、コミスジ、ミスジチョウ類、ナナフシ、シオカラトンボ、ムカデ
ウツギ
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