探鳥会でアンケートを行い、「どのような探鳥会に参加したいですか?」を6つの選択肢を設けて尋ねたところ、「植物など自然観察を兼ねた探鳥会」が最も多く40%でした。
そうした声に応えて、今後は自然観察系の探鳥会が増えると思いますが、この「私市自然観察会」もその一つ。野鳥だけでなく、樹木や野草、昆虫などいろいろな生物を観察しようという趣旨で企画しました。
開催場所の大阪市立大学理学部附属植物園は、京都府立植物園と異なって、標本植物だけでなく、元々あった山や谷をそのまま生かして自生植物も観察できるように造られています。言わば自然そのままなので、虫などの生物も多様です。
ツチアケビ
ところが、主担当は樹木、副担当は樹木と野草に詳しいものの、虫のことはよく分かりません。たまたま、チョウやトンボに詳しいGさん、甲虫に詳しいHさん(非会員)が参加されたので、同定や解説をお願いしました。
ネジバナ
まず、日本産樹木園からスタート。虫こぶがたくさんぶら下がったイスノキ、実が石鹸になるムクロジなどを観察しながら歩いていくと、ナナミノキの前で虫担当のHさんの足が止まりました。
「ノコギリクワガタがいます」とのこと。双眼鏡やスコープで覗くと、クワガタやカナブン、スズメバチがいっぱい群がって樹液を吸っています。しばらくは昆虫観察会となりました。
ゴマダラカミキリ
海洋型照葉樹林では備長炭の原料であるウバメガシ、モミツガ型針葉樹林では誰もがいつかはお世話になる棺の材料モミなどを観察。カンゾウなどユリ科の花について副担当Kさんに教えていただいた後、ユリノキ広場で昼食としました。
ヤマモモの実
午後は、ランの一種・ツチアケビを観察するためにタブ型照葉樹林へ。黄色い花が一つだけ残っていました。
その後、ゴマダラカミキリを見たり、いっぱい成ったヤマモモの実を試食しながら展示室へ向い、鳥合わせ、花合わせ、虫合わせをして解散しました。 私市自然観察会 2015年6月27日 K.S wrote
●見聞きした鳥 天候/曇り
キジバト、カワセミ、コゲラ、ハシブトガラス、ヤマガラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ムクドリ、スズメ 12種
シャシャンボの花
●樹木(開花)
キョウチクトウ、アジサイ、ムクゲ、シャシャンボ、ネムノキ、タイサンボク、クチナシ
●野草(開花)
ホタルブクロ、ワルナスビ、ハルジョオン、ヒメジョオン、オカトラノオ、イチヤクソウ、ネジバナ、カタバミ、ドクダミ、ツチアケビ、ジャノヒゲ、エノコログサ、シロツメグサ、オオバコ、シャガ、コウヤボウキ
●昆虫
ノコギリクワガタ、カナブン、ハナムグリ、ゴマダラカミキリ、キボシカミキリ、コカブトムシ(死骸)、キマワリ、ニジゴミムシダマシ(以上甲虫)、ヒカゲチョウ、ツマグロヒョウモン、アオスジアゲハ、ベニシジミ、クロアゲハ、セセリチョウSP(以上チョウ)、コシアキトンボ、シオカラトンボ(以上トンボ)、ニッポンマイマイ、クチベニマイマイ(以上カタツムリ)
イスノキの虫こぶ
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