昨年の12月10日、巨椋干拓田を流れる小川に、この時期にいるはずのないアオアシシギが4羽いました。
本来なら今頃は東南アジアで越冬しているはずですが、調べてみると、沖縄では普通に越冬し、本州でも時々越冬する個体がいるようです。
アオアシシギを観察していると、その近くに小型のシギが2羽飛んできました。ハマシギです。この鳥は本州でも越冬するので不思議はありません。
15年程前の夏、アメリカの研究者がアラスカで50羽のハマシギに標識をつけたところ、翌年1月に千葉県の谷津干潟と三番瀬、神奈川県の多摩川河口で各1羽が確認されたそうです。
標識を着けた場所(北極海の河口)の夏の平均気温を調べてみると約3℃~4℃。一方、千葉県の冬の平均気温は6℃~8℃。わずか3℃~4℃の温度差のために、はるばるアラスカから日本まで渡ってくるわけです。リスクが高い割に、得られる環境は大差がないですね。
上のアオアシシギはそのことに気づいて、「地球温暖化で南へ行っても大して温度は変わらへんし、面倒臭いし、ここで正月を迎えよう」と決めたのかも知れません(笑)。
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