昨年11月、鳥と木の実を観察するために、交野市のくろんど園地を訪れました。
まず目を引いたのは、小さな赤い実が鈴なりのソヨゴ。この樹は葉の付け根にサクランボのような実を1個ずつつけるので、個数は少ないはず。こんなに多くの実を見るのは初めてで、最初は別の樹かと思いました。
叶内拓哉さんの『野鳥と木の実ハンドブック』によると、「鳥が食べているところを私は見たことがない。見た目にはおいしそうでも、鳥にはまずいのだろうか。私も口に入れたことがないので味はわからない」。
叶内さんに代わって試食しました。トップテイストは青臭み、セカンドテイストは苦味。予想どおりの味でした。
ソヨゴの次に目立ったのが、コシアブラ。ちょうど緑色から黒に変化する途中です。
ウコギ科なのでクセのある苦い味だろうと予想しつつ、1粒口に入れました。トップテイストは酸味、セカンドテイストは苦味。しかも強烈で、前歯で少し噛んだだけで口いっぱいに苦味が広がります。若葉は天ぷらにして食べますが、実はとても食べられるものではありません。
今回の主目的は、カラスザンショウの実を食べにやって来るムギマキ。この実は鳥に人気で、叶内さんによると、「渡り途中のムギマキやキビタキなどヒタキ類がよく採食することは有名。(中略)とにかくいろいろな鳥が採食にやって来て、鳥が好む木の実のベスト5に数えられることは間違いない」。
しかし、合計3時間待ったもののムギマキは現れず、代わりにキビタキの若鳥がやってきて慰めてくれました。
カラスザンショウの木の下で落果を探して口に入れてみました。ミカン科なので苦くはないだろうと予想していました。
実食すると、サンショウの風味とほのかな甘みがあります。ピリッとした辛みはありません。例えるなら、リンゴにサンショウの粉末をかけて食べたような感じ。果肉はほとんどありませんが、癖になりそうな味でした。
なお、木の実を試食した後は吐き出し、苦味が残った場合は水で口をすすぎました。有毒な実もあるので、樹木の知識がない方にはお勧めできません。
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