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鳥と隹と禽

トリを意味する漢字はほとんどが鳥へんです。鳩、鴨、鷺、鶴、鷲などいろいろあります。しかし、これ以外にもトリを表す漢字があります。
例えば、雀、隼、雁など「隹」を部首にしたグループ。「隹」は「ふるどり」と呼びます。漢和辞典を紐解くと、「鳥」は尾の長いトリ、「隹」は尾の短いトリを意味するとのこと。

しかし、雉は尾が長いのに変だなと思ってさらに調べると、「矢のように飛ぶから雉という文字になった」と説明してあります。
キジが飛ぶところは何度か目撃しましたが、「速い」という意味での矢ではなく、尾が長くてシルエットが矢のように見えるからかも知れません。
面白いことに、「集」は「隹(とり)」がたくさん木に止まっている様子を表す会意文字だそうです。

こういう状態から「集」という漢字が生まれたわけです(鳥はムクドリ)

さらに、「雄」「雌」が「隹」を部首にしているのも、トリに由来するようです。「雄」の左の「厷」は元々は「宏」で、羽を広げて威勢を示すオスのトリの意味。また、「雌」の左の「此」は「連れ添う」の意味で、オスに連れ添うメスのトリを表しているそうです。

トリを意味する漢字は「鳥」「隹」以外にもう一つあります。「禽(きん)」。よく使われるのは「猛禽」。水辺のトリを「水禽」と言いますし、「家禽」「野禽」という言葉もあります。
この「禽」は、網で覆う様子を描いた象形文字で、トリを生け捕りにするという意味があるようです。

だんだんややこしくなってきましたが、さらにもう一つ、十二支のトリは「酉」。しかし、この漢字は実際のトリとは関係がないようで、酒を醸す壺のことを意味するそうです。なぜそれが十二支のトリに使われたのかは不明です。

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