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近眼のタカ

「鵜の目鷹の目」という言葉があるくらいですから、タカの視力は優れています。
人間の網膜の細胞が20万個であるのに対し、ワシやタカは150万個あるそうで、単純計算すれば解像度は人間の7~8倍。人間が100m先でしか認識できないものを、タカは7~800m先から認識するわけです。
実際、ハゲワシは1500mの上空から地上の獲物を見つけるそうですし、トビでさえ上空50mくらいで餌を探しています。
しかし、先日、チュウヒが飛ぶ様子を見ていて、「このタカは目が悪いのではないか」と思いました。葦原や沼の上をスレスレに飛ぶばかりで、上空には上がりません。

    

そもそもタカの語源は「高いところを飛ぶから」という説もあるくらいで、普通のタカは空高く飛ぶので、バーダーは下から見上げることがほとんどですが、私はこれまでチュウヒを下から見上げたことがありません。
地表から遠ざかると獲物が見えなくなるから低空飛行するのでしょう。ということは、他のタカに比べると視力が弱い、つまり「チュウヒは近眼である」という仮説が成り立つわけです。
上の動画でもチュウヒが水面に近づくと、魚が水しぶきを上げて逃げています。獲物を捕獲するなら、気づかれないようにもっと上空から探して、急降下で飛びかかる方が有利なはず。哀しいかな、チュウヒは近眼なので、それができないのではないでしょうか。
なお、チュウヒが低空飛行するのは聴覚でも餌を探すためであるという説もあります。

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