層雲垂れ込める中、八瀬ケーブル駅右手奥からクロツグミの歌が聴こえてくる。幸先よいのだろうか ? 山上駅では、途切れとぎれのキビタキの声。この先、遠くにオオルリの声がする。ニホンザルの若いのが一匹。赤い顔してるが、無表情。雨降り出す。スキー場跡で暫く待つが、聴こえるのは、ヤマガラとシュレーゲルアオガエルの声だけ。はて、この草原に水溜まりがあったっけ ? 草原の北側斜面でトラツグミが鳴いていると言う。耳を澄ませるが聴こえるのはタゴガエルの声のみ。トラは鳴きやんだらしい。
つつじヶ丘に向かうと、キビタキ、アオゲラの声とともにオオルリの歌も聴こえる。しかも 3羽だ。1羽は登山路際の高木の上。葉は、かなり透けているのに、誰も姿を見い出せない。同じ時、後続の一団はキビタキの姿を楽しんでいた。展望台で、先ほどのオオルリの 1羽が、間延びしたピッ・ピッ・ピッと前奏を入れたあとに通常の囀りに移る。変った奴だが、北国に向かう個体だろうか ? ツツドリとセンダイムシクイも鳴く。でも、聴いた人は僅か。
府県境を経て、山王院へ向かう。雨煙るヒノキ林の下からミソサザイの地鳴き。でも、期待したキバシリの声も姿もない。山王院では、カワラヒワが高らかに歌い、ヤエザクラの枝にはキビタキが。”鬼用の階段” を下り、浄土院の門前でキセキレイが歌う。この辺りから担い堂にかけて、キツツキのドラミングを何回か聴く。持続時間は長いが、ピッチの詰まった響きから、これはオオアカゲラのようだ。眼下の谷にミソサザイがいないのだが、不思議だ。
京都トレイルに入り、釈迦堂へ。猪の “ぬた場” の水溜まりに、孵ったばかりのカスミサンショウウオの幼生がいる。釈迦堂で、やっとミソサザイの囀り。ただし一綴りだけ。比較的近くでクロツグミの囀り。単純だが、巧い。
西塔駐車場で今年も桜祭。無料のガラ・ガラ・ポンで、2年続きで抹茶と桜餅が当たった。帰りの旧青龍寺道の登りで、脚の痛みからストックを出す。
濃い霧の中、見晴らし台で再びセンダイムシクイの声。今度は小生の耳にも入った。だがメボソムシクイは今年も聴けず。これから先は不毛と思いきや、キビタキが、かなり上手に囀ってくれた。
述懐 ! あちこちでヤブサメが鳴いたが、小生には、ひとつも聴こえなかった。高音から劣化する老人性難聴を恨む。 比叡山府民探鳥会 2014年5月5日 T.U wrote
●見聞きした鳥 天候: 小雨
カワウ、カルガモ、ツツドリ、アオゲラ、オオアカゲラ、コゲラ、ツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ミソサザイ、トラツグミ、クロツグミ、ヤブサメ、ウグイス、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、ジシュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、イカル、ムクドリ、カケス、ハシブトガラス 29種
●開花植物
ウスギヨウラク、アセビ、クロモジ、ニガイチゴ、ニョイスミレ、マキノスミレ ? その他
次の観察会は「探鳥会案内」をクリック