NHKの大河ドラマ『軍師官兵衛』が始まりました。信長や秀吉を裏で支えた黒田官兵衛が主人公です。その官兵衛の子孫である黒田家の当主には著名な野鳥研究家がいます。
もともと江戸時代から本草学(現在の博物学)に造詣が深い家系だったようですが、官兵衛から数えて15代目の当主・黒田長礼(ながみち)は日本の鳥類学の草分け的存在で、日本鳥学会の第4代会頭(在任期間:1947-63)を務めています。また、中西悟堂らと共に日本野鳥の会の設立発起人に名を連ねています。
鳥類学者としては、1917年(大正6)にカンムリツクシガモという新種を発見し、その学名(Pseudotadorna cristata Kuroda)に名前を残しています。
このカモは現在は絶滅したと考えられていて、剥製が残っているだけですが、その近縁種であるツクシガモは今も健在。
特に今年は枚方市の溜池や京都市の桂川など内陸部でも目撃されているようで、関西ではツクシガモの当たり年のようです。
官兵衛の子孫の話に戻りますが、黒田長礼の長男、官兵衛から数えて16代目の当主・長久(ながひさ)も鳥類学者。父親と同じく、日本鳥学会の第6代・第8代会頭(在任期間:1970-75、1981-90)に就任した後、1990~2004年まで日本野鳥の会の会長を務めました。
元会長は多才で、鳥の研究のほか、絵を描いたり、作曲も手がけたそうです。野鳥の会の職員の結婚披露宴などでは、本家本元の『黒田節』を歌ったとか。
官兵衛が活躍した後、黒田家は九州福岡の藩主になるわけですが、その末裔が「カンムリ筑紫ガモ」を発見したというのも何かの縁でしょうか。
次の観察会は「探鳥会案内」をクリック