タバコのPeaceのパッケージにはオリーブをくわえたハトが描かれています。このデザイン料としてアメリカの有名デザイナーに支払われた金額は150万円。当時の日本の総理大臣の月給が11万円だったそうです。
この「ハト=平和(Peace)」というアイコンはいつ成立したのか気になって調べてみました。オリーブをくわえたハトのルーツは『創世記』の「ノアの方舟」ですが、それがなぜ、いつ「平和」という意味を持つようになったのか?
1つの説は、ピカソが1949年のパリ国際平和擁護会議のポスターにハトを描いて以降というもの。ピカソはハトが好きで、たくさんの作品を残していますし、娘をパロマ(スペイン語で「ハト」)と名づけています。
ところが、ピカソよりも前にハトとオリーブで平和を表現した図案が、意外にも日本にあります。下は第1次世界大戦の終結を祝して発行された日本郵便の切手。ピカソのポスターより30年前の1919年(大正8年)のことです。
「ハト=平和」というアイコンが日本発なのか否か、これ以上は遡れなかったのですが、日本にはもう1つハトをシンボルにしているものがあることに気づきました。
八幡宮です。例えば、京都の三宅八幡宮は、狛犬もハト、絵馬もハト、境内のお店で売っているお土産も「鳩餅」とハトだらけ。
しかし、八幡宮に祀られているのは軍神。昔の武士が武運を祈願した神様です。平和とは逆に戦の神の使いとしてハトが存在するわけです。
日本では「ハトは平和のシンボル」とは言えなくなりますね。
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