アオゲラ、アオバトなど「アオ」で始まる鳥は日本に8種類いますが、いずれも体色はブルーではなくほとんどがグリーン系です。アオサギにいたってはグレーです。
その理由は、古語の「青」がブルー~グリーン~グレーの幅広い色を意味していたから。『古事記』『日本書紀』に登場する色名は白・黒・赤・青の4色のみで、古代日本では白・黒・赤以外の色はすべて「青」と呼んでいたという説もあります。
体色がブルーの鳥は、オオルリ、コルリ、ルリビタキなど「ルリ」と表現されます。動画は府立植物園の常連客のルリビタキ。
「青い鳥=幸せ」というアイコンは、メーテルリンクの戯曲『青い鳥』が作ったわけですが、この作品には他の色の鳥も登場します。
チルチルとミチルが“幸せの青い鳥”を求めて最初に訪れた「思い出の国」では、青い色のツグミを見つけたものの、籠に入れると黒く変わったというストーリーになっています。
青いツグミが黒いツグミに変わるということは、バーダーの感覚でいうとノハラツグミがクロツグミに変わるようなことでしょうか。
「未来の国」では、青い鳥を捕まえたものの、国を出ると赤い鳥に変わります。こちらは、ヤマショウビンがアカショウビンに変わるような感じかな?
最後に、自分たちがこれまで飼っていたハトが青い色に変わったのを見て、幸福は身近なところにあることを理解するという結末。
『青い鳥』の教訓をバーダーに当てはめると、珍しい鳥を求めて遠くへ出かけるよりも、身近にいる鳥をじっくり観察しなさい、ということかも知れません。
余談ながら、作者のメーテルリンクはこの作品で1911年のノーベル文学賞を受賞しますが、第2次大戦の責任国であるドイツと日本での上演を許可しなかったそうです。
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