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亀山公園でカンタンを聴く (2011年) 

 参加者の一人が、南の方は雨がきつく降っているという情報を持ってやって来た。ひやひやしながらの出発。取っ付きは天竜寺の生垣。早速にハラオカメコオロギとカネタタキの声。生垣にナツフジの花が絡んでる。並びの民家のコシキブが淡紫色の実を付けているが、枝先にまだ目立たぬ花も咲かせている。

 この時間帯、天竜寺北縁から野宮周辺にかけて、まだ観光客が溢れている。木々にはツクツクボウシ、アブラゼミ、ニイニイゼミの声で一杯。JR嵯峨野線の路床にカワラスズを期待したが、本来微かな声の持ち主の上、近くの騒音のせいもあってか聞き取れない。嵯峨野々宮町(こんな、ややこしい表記の町名があるから「野宮」が平板アクセントで発音されるのだ ! )に入ると、キリギリスやモリオカメコオロギの声も加わった。サオトメバナ(標準和名は悪名なので、あえて使わない)が大きな群落で咲いていたのが印象的。

 小倉池下の “雑草園” にはミソハギ、ハンゲショウ、逸脱したタカサゴユリの花が咲いている。しかし、かつて聴いたクマコオロギがいない。トロッコ嵐山駅近くの広場に見事なオミナエシの花。でも芝生にシバスズが聴かれず。鳴く虫にとっては、われわれには気がつかない、環境変化が起こっているのだろうか ? 亀山公園に着いたが、高木や灌木の周囲がきれいに整理されて、とてもコオロギ類のような地上性の昆虫の棲める環境ではない。ただ、セミ類が声高に叫ぶだけ。「亀山公園でカンタンの声を ! 」と宣伝した「そんぐぽすと」の案内が空々しい結果となった。ひたすらお詫びする。

 夕やみが迫ってきて、アオマツムシが鳴き出した、これに、ヤブキリも唱和する。大きくチッ・チッ・・・と鳴く、この頭の尖ったキリギリスは、ここ数年姿を消していたが、わが家の周辺にも復活した。これだけが嬉しい。
            嵐山探虫会(2011年8月27日) T.U wrote

●出現虫
エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ、モリオカメコオロギ、ツヅレサセコオロギ、カネタタキ、アオマツムシ、ヒメスズ、キリギリス、ヤブキリ、ササキリ、ショウリョウバッタ、オンブバッタ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、ヒグラシ

●日本のコオロギ類の鳴き声(クリック)

●見聞きした鳥
ゴイサギ、アオサギ、トビ、ドバト、キジバト、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス 13種

  ●今期の探虫会は、
  ◆嵐山で虫と戯れる  嵐山探虫会 8月25日(土)
    オンブバッタ、マツムシ、キリギリス、セミの声と姿を楽しみます。川沿いの夏鳥たちも!
      (雨天中止)現地で判断
   集合 午後3時30分 阪急「松尾」改札の外
   交通 阪急嵐山線「松尾」下車。市バス、京都バス「松尾大社前」下車
   行程 集合地→松尾橋→桂川右岸路を遡る→中之島公園  約1.5km
   解散 午後6時30分頃 嵐山中之島公園
   準備 虫よけスプレー、懐中電灯
   講師 細井孝昭氏
   担当 内田 孝

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