世界一の記録を集めた「ギネスブック」はアイルランドのビールメーカー、ギネス社が発行していることはよく知られていますが、そのきっかけが鳥だったことはあまり知られていません。
ある時、社長のビーバー卿が仲間と鳥撃ちに出かけてムナグロを狙ったものの1羽も仕留められませんでした。「ムナグロはヨーロッパで最も速く飛ぶ鳥だからではないか」という議論になりましたが、そんな記録はどの書物にも載っていません。
「そういう記録を集めたら1冊の本になる」とひらめいたビーバー卿が、ロンドンの調査会社に記録収集を依頼。そして1951年にギネスブック第1号が完成したそうです。
次のイラストはギネスブック誕生のきっかけになったヨーロッパムナグロ。おそらく冬羽でしょうが、巨椋で見られるムナグロとほぼ同じです。
このムナグロがビーバー卿に仕留められていたら「ギネスブック」は生まれなかったわけですから、逃げ切ったムナグロに私たちは感謝しなければなりませんね。
ちなみに、現在のギネスブックに記載されている「世界一速い鳥」は2種類あって、水平飛行で最も速いのはハリオアマツバメで時速170km、急降下で最も速いのはハヤブサで時速300kmだそうです。
面白いことに「世界一遅く飛ぶ鳥」も記録されていて、アメリカヤマシギは失速することなく時速8kmで飛ぶことができるそうです。
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