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餌ビジネス

京都府でただ一つの村、南山城村に「クローバーリーフ」という小さな会社があります。ここは日本唯一の動物園用餌料会社。4万�の牧草地を保有し、草食系の動物が食べる各種の草やコアラ用のユーカリ、パンダ用の竹、さらには水鳥用の水草など30種類もの植物を栽培し、京都市の動物園などに供給しています。

キリンやカモシカはシラカシ、ゾウやクロサイはカシ、サルはトウネズミモチなど動物によって樹種が違うので、圃場にないものは近くの山で入手するそうです。また、同じ動物でも個体によって差があり、京都市動物園のゴリラはドクダミが好物なのに神戸の王子動物園のゴリラは食べないとか、同じカシでも柔らかい葉が好きなゾウと固い葉が好きなゾウがいると言います。

京都市動物園のキリンコーナーに行くと、屋外の檻では木の枝をかじっていました。シラカシでしょうか。裏の寝室(?)に行くとトウネズミモチがぶら下げてありました。

    木の枝をかじるキリン

       キリンの寝室にあったトウネズミモチ

この会社はもともと酪農用の牧草を栽培していたものの、安い輸入飼料に押されて行き詰まり、あるきっかけで京都市動物園に牧草を届けたのがこのビジネスの始まりだったそうです。苦労もあるようで、無農薬栽培なので虫がつかないように管理したり、動物が油の匂いを嫌うので刈り取りも機械ではなく手作業。

    ゾウの園舎にあった草や木の葉、野菜

    ワオキツネザルの檻にもシラカシが

現在、関西の動物園はもちろん北海道の旭山動物園など全国18の動物園やサーカス団に餌を供給しているそうです。

先日、上野動物園に中国から新しいパンダがやってきて、テレビで竹を食べるシーンがよく写し出されますが、あの竹もこの会社が納入しているのかも知れません。

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