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宇治川には、繁殖期を過ぎ暑さのためか艶のない羽のアオサギが岸辺にたたずんでいる。
この暑さは鳥にもこたえるのか。と、小さな鳥が飛び出す。イソシギだ。みんなで見ると特定できるのだ。左岸を源内の方へ進む。淀川河口から44kmの標識を確認したり、宇治川の1500トン放流のため、河畔林が伐採され丸見えの状態であることが説明される。スズメ、カラス、カワラヒワを見つけながら進む。土手の南側の水を張った休耕田に食事中のアオアシシギが2羽。その隣にもイカルチドリが4羽。その後ろにケリが。なにしろ夕暮れ時で遠い。双眼鏡とフィールドスコープと野鳥の本でケンケンガクガク。そうこうしていると、「上空にツバメだ。」の声が。三々五々見えていたのが、みるみる大きなグループに膨れあがる。空が黒の点々に覆われる。ツバメに迫力がありいつもより大きく感じる。「あの密集度であのスピードでよくぶつからないこと」と歓声が上がる。「ヨシ原の上にもいるぞ」の声に双眼鏡を水平に戻す。時速何キロだろう。左右にアッという間に流れていく。それが何重にも重なっているのだ。ヨシ原の中にはもうスズメ、カワラヒワがヨシにしがみついている。「上空だ。すごい高さだ。今度のツバメは宇治のではなく京都のだ。」東西南北から湧いてくるのだ。それがまた渦巻きながら上下左右に流れていく。歓声が上がったかと思うと、声をのむ静寂。そこへセッカの鳴き声が、ウグイスのが。ケリのが。夕闇で見えなくなるまで何度も何度も、ねぐら入りの儀式が行われる。子育てを終えた成長も巣立った若鳥も誇らしげに大空を舞う。このいのちの雄叫びに万歳。
宇治川ツバメ探鳥会(7月31日) K.K wrote
●見聞きした鳥
カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、ケリ、アオアシシギ、イソシギ、キジバト、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 18種
Photograph: T.T(wbsj Nara)
P.S
次の日の8月1日早朝、ツバメのねぐら飛び出しのカウントが調査部で行われました。
21308羽でした。
まさしく、ねぐら入りした数です。
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