みなさま。守田敏也です。
大文字を守るためのカシノナガキクイムシ駆除(クリック)、防除作業を、再び4月24日(土)に行ないます。今回は、千人塚から鹿ケ谷に下った付近で行ないます。分かりにくい場所ですので、午後12時半に法然院前に集合し、一緒に鹿ケ谷から現地に上っていきましょう。
このため集合場所を、前回の銀閣寺前から法然院前(地図: クリック)に変更しましたのでご注意下さい。
駆除は午後1時から3時まで。その後、お時間のある方と火床に登ってしばし交流の時を持ちたいと思います。展開地域から火床まで、標高にして約100メートルです。
雨天の場合は25日に順延します。ただしこの日は夕方で、沖縄問題での集会があるため、午前11時からに時間を繰り上げます。この場合、法然院前への集合は午前10時間半です。参加の際に、任意で結構ですので、可能な方は、資材代を少々カンパしてくださるとありがたいです。(参加費ではありません)
京都ハリストス教会のお墓のすぐそばにある被害木です
以下、少し細かい情報をお知らせします。
すでに3月13日、22日と(クリック)2回にわたる行動によって、大文字の大の字の下側辺りにある千人塚周辺の防除は大きく進みました。それぞれ15人、25人が参加してくださいました。
ご協力いただいたみなさん、どうもありがとうございます。
なおこの2回で、参加したみなさんから約25000円のカンパをいただきましたが、主原さんからすべてこれを半径巻きのビニールの購入にあてたと報告を受けています。
4月24日は、法然院前に集まり、鹿ケ谷側から前回行なったあたりに向かって登っていきながら駆除を始めます。前回3月22日の続きになりますが、被害が激しい地帯ですので、少し下のほうから始めます。ともあれどうかよろしくお願いします。
なお先日、この地域を主に稜線沿いに調査してきました。
残念ながらカシノナガキクイムシは、南側にも展開していて、鹿ケ谷から南禅寺方面にかけて、被害木がみられます。とくに昨日の調査では、若王子山の京都市共同墓地の中にある、同志社墓地周辺に被害木が発見されました。
生垣に囲まれた同志社墓地の風景
ちなみにこの共同墓地には、たくさんのクリスチャンの方が眠っています。ちょうど同志社墓地の裏手には、京都ハリストス教会の墓地がありますが、その真裏にある2本の大きなコナラが被害に合い、うち1本は枯死しているように思えました。
この2本を放置した場合、この墓地周辺にカシナガが蔓延してしまいます。また同志社墓地の向い側に、少し開けたところがあるのですが、ここにも4本の被害木が発見されました。(ただしこれらはすでに主原さんたちによって発見され、マーキングされていました)
同志社墓地裏手のお墓。どこの教会の所属かは分かりません
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さて同志社墓地を後にして、東山稜線に上り、木をパトロールしながら、大文字頂上を目指しました。するとこの地域は、ナラ枯れよりもマツ枯れがひどく、唖然とする思いでした。主原さんたちによって、被害木に白いテープでマーキングがされているのですが、それがずらりと並んでいます。なんとも悲しい光景でした。
カシナガ被害については、大文字頂上に近い、南側稜線あたりで、4本ほど見つけましたが、これもすでにマーキングされており、うち1本にはプラスチックスティックでの対処がなされていました。
さらに大文字頂上を経て、大文字火床に向かって降りていくと、ちょうど火床のてっぺんから上がって少しぐらいの地点で、5本ほどの被害木が発見されました。これらはマーキングがない木で、これまで注意が及んでいなかった地点だと思われます。
この地域はマツ枯れもひどく、大きなマツが、途中で折れて、半ば道をふさいでいました。その周辺でカシナガ被害木を発見しましたが、ナラ枯れとマツ枯れに襲われたこの地域の姿は悲しいものがありました。これが大の字から少し上辺りの状況です。
調査は主に稜線沿いに行ないました。この付近は地質的にがけのようになっている地形が多く、踏み跡のない場所を調査するのには困難と危険性が伴うのですが、ムシはおかまいなく侵入するので、稜線以外の場所、ちょうど大文字山の中腹(100メートルから200メートル)の標高あたりで、横に横にとカシナガが移動している可能性があります。
可能な限り、これらを見つけ、6月の羽化までに処理する必要があるので、今後、まずはこの周辺の被害マップを作り、どのように対処するのか決めていきたいと思っています。
なお被害木が5本見つかると、放置すれば、そこから推定10万から15万頭ぐらいのカシナガが発生します。1本の木に500頭が集中すると仮定しても、200本以上の木が、新たに襲われる可能性が生じることになります。だからこそ、少ないうちの対処が肝心です。
当面の目標としては、24日に千人塚周辺から鹿ケ谷方面の防除をできるだけ進め、あわせて調査も重ねて、5月中旬から6月下旬まで、可能な限りの他の地域の被害木にも封印を行ないます。これと平行してビニール巻きも進めます。とくに聖地である同志社墓地や若王子山共同墓地周辺の駆除を優先します。これは5月後半の任意の日に行ないます。
また羽化が始まってからは、新たに穿入された木に、ただちに対処を行って、ナラ菌が持ち込まれないようにします。この場合も穿入初期に対処できれば、枯死を防げるので、羽化が続く秋まで、連続的な対処が必要となります。
この東山一体、哲学の道の裏山一体は、さまざまな人々の聖地にあたります。仏教・神道・キリスト教にとって、縁の地がたくさんあり、またそれらが作り出す静寂な雰囲気のおかげで、多くの人々の憩いの地にもなっています。桜が美しい今は、世界中から多くの観光客も訪れています。
それだけにぜひこの地を守っていきたいと思います。今後、当該の寺社・神社や教会にも呼びかけていくつもりです。どうかみなさんのご協力をお願いします。
連絡先 守田敏也 090-5015-5862 morita_sccrc★yahoo.co.jp (★を@に書き換えてください)
参考文献 『世界』4月号 「山と森にしのびよる「ナラ枯れ」」(守田敏也著)
毎日新聞2010年4月13日「温暖化による森の悲鳴」(守田敏也著)
若王子山同志社墓地内の新島先生のお墓
京都ハリストス正教会のお墓