「北帰行が近づく冬鳥と、繁殖期が近い地元の鳥たち」
夜半に降り積もった雪のため、ゴム長を履いて出掛けたが、これが間違いだった。溶けかけた雪で足が冷たくて仕方がない。集合地で三分咲きの紅梅を愛でた後、桂川右岸沿いに上流域に向かう。
頭上の木枝から、しきりに落ちてくる “生溶け雪” に悩まされながらの鳥探しは、しんどい限り。川面のカモやカワウ、岸辺のサギ類やカワセミなど、いつもの面々は健在。しかし、山側の鳥は寂しい。留鳥のシジュウカラ、コゲラ、メジロ、ミソサザイに、冬鳥のアトリの小群ぐらいのもの。いや、ルリビタキに会ったのもここだったかな ?
渡月橋に戻り、嵐山東公園に向かう。中ノ島公園東端から灌木混じりの叢(くさむら)を望み、アオジ、ツグミ、オオジュリンを観察。いつもながら、枯れた葦の茎に横向きにつかまり、虫を探す姿は可愛くもあり、滑稽でもある。昨年末、ここでアリスイを見たと聞き、むきになって探すが今日は見当たらず。
ウメPrunus mumeバラ科サクラ属(園芸種)
自転車道に出ると、いつもは騒がしい河川敷の鳥が少ないようだ。公園側ではゼッケンをつけた子供たちが走り、応援の声が騒々しい。どうやら市内の中学校対抗の周回性リレーのようだが、この喧噪が鳥の活動を抑制しているのかもしれない。それでも、茂みの中や灌木で、ぽつぽつとウグイス、モズ、カワラヒワ、ベニマシコ、カシラダカなどが声を出したり、姿をみせたりした。また、桂川の流れでは、カワウ、コガモなどの表水性ガモ (dabbling ducks) と、カワアイサなど潜水ガモが採餌中。この川には、カワアイサは、ここ数年連続して渡来している (2日前の観察では1♀6♂)。
松尾橋下流で鳥合わせ中、「この時期、イカルチドリが特有の声を発し、飛翔する、求愛行動を始めるのだがなあ…..」と言った途端、今のうわさ話を聞いた彼は激しい声を出し、水面を撫でるように飛んで行った。
桂川探鳥会 (千鳥ヶ淵→松尾橋) 2月7日 T.U wrote
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●見聞きした鳥
カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、カワアイサ、トビ、キジ、バン、イカルチドリ、イソシギ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ミソサザイ、ルリビタキ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、オオジュリン、アトリ、カワラヒワ、ベニマシコ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 47種
ツグミ (英名: Duskey Thrush) Turdus naumanni スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科
亜種: T. n. eunomus ほか、ハチジョウツグミ T. n. naumanni
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