「春一番」の強風が吹き荒れる近江八幡休暇村の湖岸。担当を含めわずか6人のパーティで、家庭的な探鳥会が始まった。雨こそ止んだが、眼前の琵琶湖は一面の白波で、カモたちが波間に見え隠れしている。頭上を、カラスが吹き飛ばされるように飛び去った。カモメが一羽、沖から近づいて来る。強風が日常的な海上で暮らすこの鳥は、少しぐらいの風はものともしないようだ。
水鳥観察を早々に切り上げて、山に向かう。道路わきの樹上にウソ5羽の群れが出現! のどがきれいなピンク色をした雄が1羽混じっている。双眼鏡なしでも見える距離だ。一同、しばし見とれる。
山道に入ると風は弱まったが、小規模な土砂崩れや道をふさぐ倒木に悩まされた。おまけに、雨後の路面はぬるぬるとして滑りやすい。山林内は風音だけが騒がしく、鳥は声もほとんど聞こえない。峠を越え、奥島山林道へいったん下りてから登り始める。コゲラやホオジロ、シロハラをリストに加える。林道終点に到着、小休止のあと山道に入り、山頂を目指す。尾根に出ると再び風が強くなった。
途中、大岩のあるところで昼食とする。晴れていれば、眼下の沖ノ島と対岸の比良連峰の素晴らしい眺めが楽しめる場所だが、今日は残念ながらもやに霞んでよく見えない。
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食後、少し歩いて奥島山の三角点に到着。山頂には磐座があって、注連縄がめぐらされている。ここで少し休んで長命寺へと向かう。風はようやく治まってきた。
駐車場から180段の石段を上ると、長命寺である。本堂、三重塔や三仏堂、鐘楼などの塔頭が立ち並ぶ落ち着いた雰囲気のお寺だ。おや、本堂の屋根にジョウビタキが止まっているぞ。
車道を長命寺港へと下る。港では、カイツブリやオカヨシガモ、ユリカモメ、ハクセキレイを確認。鳥合せの結果、20種程度かなと予想していた出現鳥は、少し増えて26種となった。
奥島山・長命寺探鳥会 (2月14日) Σ
●見聞きした鳥
カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、ヨシガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オカヨシガモ、トビ、オオバン、カモメ、ユリカモメ、コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、ウソ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 26種
奥島山から沖の島を望む
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