高校駅伝の日と重なったが、場所と時間帯のずれから全く影響を受けなかった。ただし、苑内には、駅伝を待つためか、いつより人出が多かったように思う。参加者はちょうど 20名。この内、他支部から 2人、非会員で初めての方が 4名、常連の非会員も 2名ほどあった。
集合の待ち時間に、杉であったか樫であったか、梢に 2羽のビンズイが止まっている。この季節としては珍しい光景である。歩き始めて間もなく、児童公園北側の小径で、突然エナガを主とする、メジロ、シジュウカラの混群に出会った。双眼鏡の要らぬ距離で、枝渡りするエナガに魅せられてしまった。初めての参加者にはもちろん、彼らを見慣れた連中にも、あの可愛らしい姿と立ち振る舞いは、はなはだ蠱惑(こわく)的であり、長い時間足を留めざるをえなかった。探鳥の心の原点に立ち戻った思いがした。
アトリ(花鶏、英名: Brambling) Fringilla montifringilla スズメ目アトリ科
異名: あきとり(奈良)、はなすい(岩手)、いちごすずめ(埼玉)、いわすずめ(群馬)、たけすずめ(宮城)、ゆきどり(静岡)、ほうねんどり(山梨)
大きさ: L16 W25.5 冬鳥
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当苑北縁近くで、ツグミ、シロハラ、シメなどの姿を楽しんだ後、母と子の森に立ち寄る。”小鳥の水飲み場”は、今日は写真屋さんではなく、その鳥たちで賑わっていた。エナガ、シメ、アトリなどが、入れ替わり立ち替わり、降りて来ては、水を飲んだり、沐浴に興じている。ここでもヒトは動けなくなってしまった。静かに号令をかけて、南に移動。迎賓館の北辺の生垣に、うるさく騒ぐ 2羽のシロハラがいた。やがて、イカルとシメの群れがやって来て、高木上で忙しく餌を採り始めた。
迎賓館南東端近くのフッキソウの群落で、コオロギの声がする。「今頃、何で?」と、耳を澄ますと、持続的な声で、非常に弱まったアオマツムシのように聴こえる。何だろう? また、尋ねられた草の実ヤブミョウガの名前が思い出せなくて往生した。近頃の度忘れの激しさに自ずから辟易している。
御所南側の高木に 30羽ほどの小鳥の群れ。アトリの中にカワラヒワが 1/4ほど混じっているという。この見慣れない取り合わせは、あるいは両種の生活様式に共通点があることを示すのかも知れない。でも、ここでは単純に「気の合った同志」なのだろう、としておく。この近くで、またしても高木の梢に 2羽のビンズイを見る。不思議な日である。
京都御苑探鳥会 (12月21日) T.U wrote
●見聞きした鳥
カワウ、マガモ、トビ、キジバト、アオバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、ルリビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、アトリ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 28種
ツワブキ (石蕗、英名: Japanese silverleaf) Farfugium japonicumキク科
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