「雨は午後6時から」という予報が当たって、日中は曇りながらも、ときおり薄雲を透して日が差す陽気となった。
早めに着いた集合地で、仲間の一人が歓声を挙げた。カラスがヤマセミを追い出したという。その鳥は頭上を越えて高野川沿いの高木の枝に止まった。そう近くはなかったが、先着した連中はその姿を満喫した。
幸先よいと喜んだものの、キララ越えまで(つまり京都市側)は、目立った鳥というと、営巣期に入って清々しく囀るヒガラ、ヤマドリの幌打ち、ウソの声ぐらいなもの。しかし、自動車道を跨ぐ陸橋と山王院付近からは、賑やかな冬鳥たちや地元の鳥たちに出会えた。地鳴きとともに姿を現したカヤクグリ、群飛と杉の樹上で休息を繰り返してぐぜる50羽ほどのマヒワ、杉の巣穴近くにたたずむアオゲラの雌、声はすれども姿は見せぬキバシリ、上手に歌うようになったミソサザイ、そしてやや遠いトラツグミの声などである。帰り道、トラツグミが楓の枝に姿を見せた。
旧ケーブル跡で昼食をとり、去年のウグイスの巣を案内してもらった後、春渡り最中のノスリを観察。慧眼の持ち主は6羽数えたという。ここでは、また、ミヤマホオジロを見つけた幸運な人もいた。
気になる木があった。樹皮が桜に似ているが、色がかなり白っぽい。枝ぶりも違う。ミズメかなと思ったので、悪い気がしたが、コツンと樹皮にわずかの傷をつけ、匂いを嗅ぐと、はたして思惑通りサロメチールの香りがした。
ミズメ(樹皮)
この時期、いつも見聞するこの山の冬鳥たちだが、毎年少しづつ様子が違うな、と思う。ふと、方丈記の冒頭の一節を思い出したが、おそらく的はずれの感慨であろう。
比叡山探鳥会 (3月23日) T.U wrote
●見聞きした鳥
ダイサギ、マガモ、トビ、ノスリ、ヤマドリ、キジバト、ヤマセミ、アオゲラ、コゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、カワガラス、ミソサザイ、カヤクグリ、トラツグミ、シロハラ、ウグイス、エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、キバシリ、メジロ、ホオジロ、ミヤマホオジロ、アオジ、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、ウソ、イカル、ムクドリ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス 36種
(探鳥会で話題にあがったオレンジ色の苔のようなものの顛末は「続きを読む」をクリック)
フキノトウ
次の観察会は「探鳥会ガイド」をクリック
冬になって草が枯れ林道わきに姿を現したウグイスの古巣
ケーブル山上駅近くや浄土院まえの石垣についているオレンジ色の苔のようなものが話題にあがった。菌類だろうと図鑑で調べてみたけど解らない、それでは苔の仲間 ? どうも違う、手持ちの図鑑類にも限界がきて大阪自然史博物館のMLへ疑問を流してみた。専門家の方々からいろいろお話をいただいたが、どうも藻類のようなのだ、もちろん標本を同定したわけではないので結論ではないけれど、緑藻類のスミレモではないかというところまで来た。気生藻と言って陸上で生活する種類らしい。
写真がうまく撮れてなかったのですが、どなたか詳しいことをご存知でしたら教えて下さい。bulbul wrote: