アマサギの英名はCattle Egret。Cattleは「牛」、Egretは「サギ」ですから、直訳すれば「牛サギ」。畑を耕す牛の後を追いながら、飛び出す虫を捕食するところから命名されたようです。
下の動画のように、現在はトラクターの後を追いかけて虫を食べていますから、Tractor Egretと改名すべきかも知れません。
一方、この鳥の和名の由来を亜麻色と思っている人が多いようです。クラシックではドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』が、熟年世代ではヴィレッジシンガーズの同名曲がよく知られていることから、この鳥の頭部を金髪を意味する「亜麻色の髪」に見立てての類推でしょう。
しかし、亜麻が日本に移入されたのは元禄時代なのに、「アマサギ」という鳥名は鎌倉時代にすでにあるそうです。つまり「亜麻鷺」は間違い。正しい由来は「飴色の鷺」です。「アメ」が「アマ」に変化するのは、「雨雲」「雨脚」と同じ転音。
飴よりも金髪に例えた方がイメージが美しいので、誰かが「亜麻鷺」と書いて以来、図鑑などにもそう表記されるようになったようです。