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バードウォッチングにできること

 南米コロンビアでは50年以上内戦が続き、2016年に和平合意に至ったものの、敵同士であった住民の間には不信感が残り、何かにつけて反目し合っていました。それを和らげるため、ある地区の農協が2021年12月に双方の住民を対象とした野鳥観察プロジェクトを始めました。
 当日、政府軍の補完勢力であった先住民、その攻撃を受けた農民、ゲリラの元戦闘員の子供など約30人が参加。最初はほとんど交流がなかったものの、鳥を観察するうちに雰囲気が和らぎ、少しずつ交流が始まりました。その様子を以下のAFP(通信社)による動画が伝えています。

 プロジェクトを企画した農協の担当者は「鳥は交流のきっかけになります。これが本当の和解であり、鳥たちのおかげで実現できました」と語ります。また、野鳥観察を指導した鳥類学者も「ここでは、よそでは見られないことが起きています。鳥を観察すると、自分が住んでいる土地を違った目で見ることができるのです」と話しています。
 バードウォッチングは私たちを楽しませるだけでなく、こんなこともできるのですね。
この話は支部報『そんぐぽすと』237号の特集「戦争と鳥」の中で紹介しました。

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