3月3日(日)、宝が池においてバリアフリー探鳥会を開催しました。
公益社団法人京都市身体障害者団体連合会の会員で肢体障害の方10名(うち車イス利用2名)、聴覚障害の方2名に加えて、点字新聞の記者と視覚障害の方、この探鳥会の共同企画者である車イスのコンダクター・宮野谷義傑さんをはじめ介助者など関係者20名が参集。数日前まで天気予報は雨で、昨年に続いて中止かと心配しましたが、微妙な空模様の中決行しました。
車イスの方がスコープをのぞきやすいようにローアングル三脚を調達したり、聴覚障害の方のために要約筆記者を確保したほか、視覚障害の方のために点字図鑑や声の出る図鑑を用意しました。
宝が池までの道でシジュウカラやツグミ、さらにシカも登場し、みなさん喜んで観察されていました。
池に到着するとマガモ、カルガモ、カイツブリなどが登場。「奇麗やな~」「ようけおって名前が覚えられへん」などの声が上がります。目当てのオシドリも雄2羽を間近でじっくり見ていただきした。
「自然が好きでNHKの『ダーウィンが来た』や『さわやか自然百景』をよく見るけど、こうして生で見るのは初めて。色が鮮やかやった」と車イスの方。足に障害のある蒔絵(まきえ)師は、「仕事でオシドリを描くので図鑑や動物園で見たことはあるけど、自然の中で見るのは初めて。やっぱり色が違う」と言いながら、スマホに保存した蒔絵作品を見せてくださいました。
「鳥の種類が多いのでびっくりした」と語ってくれたのは聴覚障害の方。視覚障害の方は点字図鑑を触りながら、「肌で自然を感じることができた。一人でこういう所に来ることは無理なので、また機会があれば参加したい」と話してくれました。
途中から雨が降ってきたので、予定を繰り上げて午後2時前に鳥合わせをして解散しました。
最近マスメディアでは「東京オリンピック・パラリンピック」と必ず併称され、義足での跳躍や短距離、腕に障害のある方の競泳、車イスのバスケットボールなどが放映されます。障害者のスポーツやアクティビティに対するニーズが確実に潜在すると同時に、社会的に認知されてきているということでしょう。その中で「自然に触れたい」、「鳥を見たい」という声に応えるのは私たちの使命であると捉えて、今後も継続したいと考えています。 バリアフリー探鳥会 2019年3月3日 K.S wrote
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