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イタリアの鳥たち(その5)

第5日 永遠の都の小鳥たち (ローマの2)
 このあと、次々といろいろな小鳥が現れます。遊歩道には、ズアオアトリ Fringuello、並木にはヨーロッパシジュウカラ Cinciallegra 少し開けたところにはクロウタドリのほかに、セリン Verzellino。ヨーロッパコマドリ Pettirosso は何度も現れます。

    ズアオアトリ

    クロウタドリ

    ヨーロッパコマドリ

 パラティーノの丘の頂上あたりでは、頭上をチョウゲンボウの仲間が何回か横切ります。イタリアでもチョウゲンボウが普通種のようですが、一見したところチョウゲンボウよりスマートに見えます。飛ぶスピードも速く、双眼鏡で捉えきれず何だかわからないままに終わりました。
 
 さて、園内を一巡りして、そろそろ出ようかなと思った頃、近くの木に小鳥の混群がやって来ました。
 ヨーロッパシジュウカラ、アオカワラヒワ Verdone 、ズグロムシクイ Capinera 、アオガラ Cinciarella 、ムシクイ類?の中に、今回の旅行で一番見たかったゴシキヒワ Cardellino が入っていました。ヴィバルディのフルート協奏曲に「ごしきひわ」という題のものがあり、名前だけは昔から知っていましたし、何より色彩が華やかです。

    ズグロムシクイ

    アオガラ

    ゴシキヒワ

 ちなみに、フィレンツェのウフィツィ美術館で見たばかりの、ラファエロ筆の聖母子像、その名も「Madonna del cardellino」。左側の幼子(洗礼者ヨハネ)が幼子キリストに差し出しているのが、ゴシキヒワ。なぜ、ここに書き込まれているのかというと、ゴシキヒワは「キリストの受難」の象徴なのだそうです。

     聖母子像

 さて、出口近くの草地にいたのが、タイリクハクセキレイ Ballerina bianca 。イタリア名の意味は「白いバレリーナ」。なかなかいい名前をもらっています。日本のハクセキレイの基亜種ですが、さて、どこが違ってたっけ?としばし頭を悩ませました。

    タイリクハクセキレイ
 
 この、フォロ・ロマーノとパラティーノの丘は、比較的観光客は少なく、学校の校外学習と思われる団体が多かったです。その中で鳥を見ているのは、私たちだけで、鳥の警戒心も比較的少ないようで、近くまでやってきます。そのおかげで、日本で出現したなら大騒ぎになるような鳥が、次々と独り占めで見放題という、こたえられない体験をすることができました。
 
 この日観察した鳥
 マガモ、ワカケホンセイインコ、キアシセグロカモメ、チョウゲンボウsp、ズキンガラス、アオガラ、ヨーロッパシジュウカラ、ズグロムシクイ、ホシムクドリ、クロウタドリ、ヨーロッパコマドリ、クロジョウビタキ、イタリアスズメ、スズメ、タイリクハクセキレイ、ズアオアトリ、アオカワラヒワ、セリン、ゴシキヒワ。

まとめ
 今回の旅行は、観光が主目的で鳥の方は二の次。鳥がたくさんいそうなところに、わざわざ立ち寄るわけではありませんし、団体行動では勝手なこともできないので、あまり期待はしていなかったのですが、思いのほか見られて楽しかったです。今回は、ポケットタイプの双眼鏡(8×20)を持参しましたが、これは美術館の展示物や、建築物の細部を見る時にも活躍しました。
 観光の方でも、イタリアは見どころも多いし、食べ物は美味しいしで、大いに満足してきました。帰ってきて間もないのに、次はどこに行こうかと、あれこれ夢想しているところです。
                             plover

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