第3日 花の都のスズメたち (フィレンツェ)
フィレンツェでは午前中に団体で市内観光。最初に向かうのはウフィツィ美術館。ここは、今回の旅行で一番来たかったところです。朝一番で来たのですが、早くも入場待ちの行列が出来ています。行列に並んで待っていると、ミラノでもヴェネツィアでも見られなかった、イタリアスズメ Passero d’Italia (Passer italiae)がやってきました。このイタリアスズメ、独立種とされたり、イエスズメ (P. domesticus)あるいはスペインスズメ (P. hispaniolensis)の亜種と考えられたりしているようです。
イタリアスズメ_オス
このあと、午後にドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)の入場を待っているときにも、足元近くまでやってきて、観光客の与えるエサを拾っています。ジェラートのコーンのかけらが大好きのようです。
日本のスズメより一回り大きく、雌雄異色で♀はニュウナイスズメの♀に似ています。ところが、見かけるのはほとんど♂で、♀は極く少数です。もしかしたら、私たちが普段見ているスズメも性比が偏っているのかと思って調べてみましたが、それにふれている資料は見つかりませんでした。
イタリアスズメ_メス
午後は自由行動ということで、まずは本屋に立ち寄り、カタコトのイタリア語と身振りで、現地の図鑑を購入。イタリアのバードウォッチング系の団体(EBN Italia)の推奨マークもついているので、内容は信頼できると思われます。
昼食後は、まずドゥオモそばの鐘楼(ジオットの鐘楼)に登り、頂上からフィレンツェの町並みを眺めます。赤い屋根瓦の波の上を、キアシセグロカモメやズキンガラスが飛び回っています。
フィレンツェ_カモメ
次にアルノ川からポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)方面に向かいます。アルノ川では、キアシセグロカモメ、ユリカモメの他に岸にエジプトガン Oca egiziana がいました。これは名前のとおりアフリカ原産の移入種のようです。ほかに、カワウやサギ類、バンGallinella d’acqua もいました。
アルノ_カモメ
アルノ_エジプトガン
ポンテ・ヴェッキオの上は、ひときわにぎやかでしたが、橋の上に止まるユリカモメを見て、京都の先斗町で見るものと同じユリカモメなんだなあと、不思議な気持ちになりました。
ヴェッキオ_ユリカモメ
このあと、もう1か所美術館に入りましたが、今日はこれで時間切れ。フィレンツェは半日の自由行動ではまったく時間が足りません。
ホテルに戻る途中、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(フィレンツェ中央駅)近くを通りがかると、近くの街路樹並木がホシムクドリの集団ねぐらになっているようで、ちょうどそのねぐら入りの最中でした。
ホシムクドリねぐら
この日観察した鳥
エジプトガン、カワウ、バン、ユリカモメ、キアシセグロカモメ、ズキンガラス、ホシムクドリ、イタリアスズメ
第4日 フィレンツェ~ローマ
この日は、フィレンツェからローマまでの移動日で、ほぼバスの中からの観察で、写真はありません。この間も、道中はなだらかに起伏する丘陵地の合間に、畑、ブドウ畑、オリーブ畑が広がります。小鳥もたくさん飛んでいますが、識別できません。ゆっくり歩き回れば、いろいろな鳥がいるに違いありません。
ノスリ Poiana は前々日のヨーロッパチュウヒと同様に、高速道路わきの杭にとまっていましたが、日本産のものより、色が濃いようでした。
この日観察した鳥
コウライキジ、マガモ、モリバト、アマサギ、アオサギ、ダイサギ、キアシセグロカモメ、ノスリ、チョウゲンボウsp、カササギ、ズキンガラス、ホシムクドリ、クロウタドリ、イタリアスズメ
plover
次の観察会は「探鳥会案内」をクリック