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イタリアの鳥たち(その2)

第2日 水の都のカモメたち(ヴェネツィア)

 泊まったホテルはヴェネツィア本島の便利なところにありました。朝食の後、市内観光出発までに少し時間があったので、サン・マルコ広場にでかけました。
 そこにたくさんいたのが、この黄色い足の大型カモメです(背景はサン・マルコ寺院)。

    サンマルコカモメ

 実は、今回の旅でしっかり見ておきたいと思っていたのが、このカモメ。
 9年前に、鴨川七条で黄色い足の大型カモメを見つけ、支部から照会してもらったところ、「キアシセグロカモメの亜種 (Larus cachinnans mongolicus)の可能性が高い」との回答をいただきました。しかし、いろいろ確認すべきポイントを見ていないことをあとから知り、ずっと心残りに思ってきたところです。
 さてこのカモメ、当地の図鑑では Gabbiano reale (L. michahellis)とされています。Gabbianoは「カモメ」、realeは「実際、現実」なので、日本語のマガモとかマガンのマ(真)にあたる感じでしょうか。

    ミカカモメad

 wikipediaの英語版にはYellow-legged gull (L. michahellis)とされており、「以前にはCaspian gull (L. cachinnans)の亜種として扱われていた」との記述があります。一方、日本鳥類目録第7版では Larus cachinnans の亜種のままなので和名はこちらもキアシセグロカモメということになります。しかし、鴨川で見たものは、脚下部からみずかきにかけてピンク色を帯びていたのに対し、こちらは鮮やかな黄色で、この方が和名にぴったりです。
 広場には、若鳥から成鳥までいろいろな羽色のものがいました。

    ミカカモメ_w

    ミカカモメ_w

 嘴の黒斑が残っているもの。下嘴の赤斑はセグロカモメより大きめです。

    ミカカモメ_ad

 サン・マルコ広場には、カラス、スズメはおらず、生ゴミや観光客がまくえさを、ユリカモメ Gabbiano comune やドバトと争っていました。

    ミカカモメ翼上面

 ユリカモメは、日本より頭が黒くなり始めるのが少し早いようです。

    ユリカモメ

 船着き場には、ヴェネツィア名物のゴンドラや、観光船がたくさん係留されています。そこへひょっこり顔を出したのは、ハジロカイツブリ Svasso piccolo でした。

    ハジロカイツブリ

 午前に市内の観光を終え、次はフィレンツェに向かいます。バスは前日とは変わって丘陵地の中を進みます。なだらかに起伏する大地の合間に、畑、ブドウ畑、オリーブ畑が現れます。
 車窓から見える鳥も、前日よりバラエティが増えているようですが、小鳥は識別できません。
 高速道路脇の杭に色が濃い目のチュウヒが止まっていました。分布から見てヨーロッパチュウヒ Falco di palude と判断しましたが、日本国内だったらチュウヒと区別がつかないと思います。

 この日観察した鳥
 コウライキジ、ハジロカイツブリ、モリバト、ドバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ユリカモメ、キアシセグロカモメ、ヨーロッパチュウヒ、チョウゲンボウsp、カササギ、ズキンガラス、ホシムクドリ
                             plover

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