今年の秋は暖かい日が続いていたので紅葉も遅いうえに、色づきも今一つです。おまけに、曇り空で今にも雨が落ちてきそうな、薄暗い中での集合となりました。
今回は、遠くからのバーダーの参加が多かったように感じます。大阪は近い方で、尼崎、そして横浜や埼玉からも。スマートフォンやタブレットのような移動型情報端末の発達で、ネットから探鳥会の情報が直ぐに見つかりやすいのでしょう。観光で京都へきた方も、ついでに適当な探鳥会に参加できるのだと思います。
植物に詳しいKさんが参加されていたので、幾つか植物の知識を教わりました。写真は探鳥会のスタート直後の後ろ姿ですが、グループの進行方向中央にあるオレンジ-黄色-黄緑のグラデーションの面白い樹は、モミジハフウと言われるものです。5裂の比較的大きな葉を持っています。フウは漢名「楓」の音読みらしいのですが、モミジカエデという名前になってしまいそうです(?)。大正時代に北米から渡来したそうです。もう一つは、冬に枯れても葉が落ちないことで知られているヤマコウシバ(山香シバ)。この時期、宝ヶ池公園の道端に枯葉をたくさんつけているので目立ちます。葉を揉むと芳香があるためについた名だそうで、別名のモチギは、葉を乾燥後に粉にして餅に混ぜて食べたことに由来するのだそうです。新芽を守るために、それを覆うように枯葉が残っているのだそうで、春には葉を落とすのだそうです。「受験生のお守りとして良いのよ」と、以前も植物に詳しいIさんに何度か名前を聞いたことがあるのですが、記憶力の悪い私はすっかりその名前を忘れていました。
宝ヶ池探鳥のお目当ては、何といってもオシドリなのですが、3羽とまだ入りが少ないようです。いつも入ってくれるキンクロハジロも見つけられませんでした。参加してくれた人を楽しませてくれたのは、カケスとビンズイ。桜の森の木立の中で2羽のカケスが姿を見せてくれました。声は良く耳にするのですが、その姿を近くに見る機会は多くはありません。「右に飛んで行った」、「後姿が」、「杉の枝に」としばらく皆さんで姿を追って楽しみました。やはり落ち着いて止まってくれないので写真を撮ることはできませんでした。参加者のお一人が、寝子ケ山の見つけにくい山裾の中に野鳥がいることに気づいてくれました。「胸に斑があるようです」、「黄色味がかっていますか?」「はい」、「それではアオジかもしれませんね」というやり取りをしていたのですが、その内に何人かの方がスコープや双眼鏡で捉えることができるようになり、ビンズイと判明しました。ここ数年、1月に開かれる宝ヶ池探鳥会では、まだ出現が記録されていない野鳥です。
岩倉川の畔で鳥合わせをして解散となりました。オシドリを見た池の辺りでは少し雨も強くなりあいにくの天気でしたが、皆さんで懸命に野鳥の姿を追うなどして楽しい時間を過ごせた気もします。解散後に見ようとした比叡も霞の中でした。 宝ヶ池平日探鳥会 2015年12月24日 Y.I wrote
●見聞きした鳥 天候: 曇り
オシドリ、マガモ、カルガモ、ホシハジロ、キジバト、オオバン、トビ、コゲラ、モズ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ミソサザイ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、カワラヒワ、イカル、ホオジロ、アオジ 32種
次の観察会は「探鳥会案内」をクリック