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むくどり通信

当支部の支部報名は『そんぐぽすと』。野鳥がさえずる場所であるSong Postに、会員それぞれが言いたいことを発言する場という意味を込めてのネーミングです。
お隣の大阪支部の会報は『むくどり通信』。これにも何かいわれがありそうですが、先日たまたまそれが判明しました。
江戸時代、冬になったら集団で出稼ぎにやってくる東北人を、江戸っ子たちが「やかましい田舎者の集団」という意味で「椋鳥」と名づけてバカにしていたそうです。故郷から江戸に向かう道中でその屈辱を受けた小林一茶は、「椋鳥と 人に呼ばるる 寒さかな」という俳句を残しています。
確かに、ムクドリは冬になると群れを形成し、ギュルギュルとうるさく鳴きます。

この「ムクドリ=田舎者」というアイコンを利用し、明治時代の文学者・森鴎外が海外情報を伝える連載コラムを、「日本=世界の中の田舎者」という意味で「椋鳥通信」と命名。それが大阪支部の会報名の由来のようです。
この話には尾ひれがあって、現代の作家・池澤夏樹が1993年から1998年まで『週刊朝日』に連載していたコラムも「むくどり通信」。
池澤自身が森鴎外の「椋鳥通信」を盗用したことを認め、「名もなき人のものを盗むのはこそこそしていけないが、天下の大文豪のものならば堂々と盗めるような気がしたのだ」と書いています。
大阪支部には申し訳ないですが、支部報名としては『むくどり通信』よりも『そんぐぽすと』の方が含蓄があっていいネーミングだと思います(笑)。

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