ボールペンやシャープペン、サインペンなど私たちはペンのお世話になっていますが、英語のPENの語源はラテン語のPENNAで、そのPENNAは「羽根」を意味するそうです。つまり、ボールペンやシャープペンのルーツは羽根ペンにあるわけです。
ということを知ると、バードウォッチャーの心には「羽根ペンにはどんな鳥の羽根が使われていたのだろう?」という興味が湧いてきます。
ペン用の最良の羽根は、北ヨーロッパのガチョウ、ガン。次いで、ハクチョウ、シチメンチョウ、ペリカンなどの羽根も利用されたそうです。細字用にはカラスの羽根も使われたとか。
猛禽類の羽根も重宝されたようです。下の羽根はハヤブサの仲間、チョウゲンボウの初列風切羽。チョウゲンボウはヨーロッパにも生息しますから、猛禽好きの当時の男どもは好んで使っていたのではないでしょうか。
良質の羽根を入手するために、生きた鳥の翼から翼端に近い風切羽を抜き取ったようです。だから、ガチョウとかシチメンチョウなど飼い鳥の羽根が使われたのでしょう。
面白いのは、右利きの人には左の翼の羽根、左利きの人には右の翼の羽根が書きやすいそうです。バランスからいうと逆のような気もしますが、右利きの人が右の翼の羽根を持つと内側にカーブして顔に当たるからかもしれません。
初めて英語を習う時のフレーズ「This is a pen.」は、「これは羽根です」という意味だったわけですね。
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