鳥の名前には色のついたものが多いですが、鳥のどの部分の色に着目して命名するかは国によって違います。
例えば、キセキレイは日本では腹部の黄色に着目して命名していますが、英名はGray Wagtail。下の動画でも分かるように、頭~背中の色に着目して命名しています。
日本のバードウォッチャーがGray Wagtailと聞けば、「ハクセキレイのことかな?」と思うでしょう。ちなみに、ハクセキレイの英名はJapanese Pied Wagtail、「まだら模様のセキレイ」。
また、オオアカゲラは日本では下腹やオスの頭頂部の赤に着目して命名していますが、英名はWhite-backed Woodpecker、「背中が白いキツツキ」。
「え~?」と思いますが、調べてみると、日本のオオアカゲラとヨーロッパのオオアカゲラは少し違っていて、下のイラストのように背中の白の面積が大きいようです。
「じゃあアカゲラの英名はどうなんだ?」と気になって調べると、Great Spoted Woodpecker、「大きな白斑のあるキツツキ」。確かに背中のV字型の白斑が目立ちます。
これらの例からみると、日本人はお腹に、イギリス人は背中に着目する傾向があるようです。
もう一つの例を挙げると、キアシシギの英名はGray-tailed Tattler。日本人が黄色い脚に着目しているのに対して、イギリス人は灰色の尾羽に着目しているわけです。
しかし、キセキレイは黄色の方が目立つし、アカゲラやキアシシギにしても赤や黄の方が目につきます。「イギリス人の目のつけどころはおかしいんじゃないの?」と思いますが、バードウォッチング発祥の国に対してそんな不遜な物言いはできません(笑)。
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