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ヒナ騒動

「そちらの近くの方から、ヒナのいるツバメの巣を拾ったという連絡が入ったので対応してください」。先週、事務所からそういう連絡が入りました。
雨の中バイクに乗って出かけると、そこは工場の事務所で、2人の女性社員が出て来られました。状況を確認すると以下のようでした。
・滋賀県の現場にトラックを置いていたら、バッテリーの上に鳥が巣を造った
・運転手は気づかないまま工場と滋賀県の現場を2往復した
・声がするので覗くと鳥の巣にヒナが4羽いた
・工場の女性社員2人が保護し、水やミルワームを与えると元気になった
私が行ったのはその2日目でした。引き取った巣が以下。

工場の方々はツバメと思い込んでおられましたが、巣材が草なのでツバメの巣ではありません。スズメの巣かなと思いましたが、それにしては整い過ぎています。
とりあえず持ち帰りましたが、通常、人間は鳥のヒナを育てられません。特に私は経験もなく道具もないので、スズメとハトのヒナを育てたことがある近くのTさんに預かってもらいました。
いろいろ情報を集めると、どうやらセキレイのようです。Tさんは、セキレイのヒナを一度に4羽も育てるのは無理と判断し、巣があった元の場所に返して親鳥に育ててもらうべく、近くの会員3名で滋賀県の現場へ走ってくれました。
現場の社員に説明すると、トラックはしばらく使わないということなので、再びバッテリーの上に戻しそうです。

    元に戻った巣

社員によると、「白と黒でお尻をピコピコ動かす鳥だった、今日もここに来ていた」とのこと。どうやらセグロセキレイのようです。巣とヒナが突然消えたので、親鳥はオロオロしていたのでしょうね。
このヒナ騒動で、多くの人間が振り回されましたが、いちばん振り回されたのは4羽のヒナ。生まれてすぐ、50~60kmの道を4回もドライブしたわけです。
当支部の事務所にはこの時期こういう連絡がよく入りますが、日本野鳥の会は毎年「ヒナを拾わないで」キャンペーンを展開しています。参考ために、以下のページをご覧ください。

ヒナを見つけたときの対処はこちら

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