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刑務所と鳥

『ショーシャンクの空に』という脱獄映画に、囚人が鳥を飼うシーンが出てきます。食堂で囚人服の懐に隠したヒナに餌を与えるシーンと、刑務所内の図書室に居付いたカラスを格子窓から逃がすシーン。
私はお世話になったことがないので分かりませんが、塀の向こう側でも鳥と接する機会はあるようです。
南アフリカでは受刑者の更生に鳥を活用しています。ある刑務所では、十数人がオカメインコやボタンインコの世話をするというプログラムに参加。孵化したヒナを約5週間に渡って、昼夜を問わず1~2時間ごとに餌を与えるそうです。
成長したインコは一般社会で販売するのですが、中には鳥に愛着が湧いて、別れる時に涙を流す受刑者もいるといいます。
札付きのワルが、小鳥に話しかけたり、世話を続けるうちに、目に見えて優しく穏やかになったり、ある窃盗犯が鳥の世話をすることで親としての責任に目覚めたとのこと。「鳥に忍耐と自制を教えられた」と語る受刑者もいて、鳥が更生に大いに役立っているようです。

オカメインコ(画像はパブリック・ドメイン)

逆に、もともと温和だったのに鳥がきっかけで粗暴になった人物もいます。ボクシングの元ヘビー級チャンピオン、マイク・タイソン。
彼は少年時代、伝書鳩を飼っていましたが、その大切なハトを年上の不良グループに虐殺されたため、逆上して不良たちを殴り倒します。そのことで自分の強さに気づいたタイソンは、徐々に荒々しくなり、ボクサーの道を進むことになったそうです。
現役時代は相手の耳を噛み切るような凶暴なボクサーでしたが、引退後は元に戻ったようで、1000羽もの伝書鳩を世話しながら穏やかに暮らしているとか。

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