京都支部では現在、探鳥会に参加された方にアンケートをお願いしています。その目的の一つは、参加者のニーズを探って今後の探鳥会に反映すること。
「どのような探鳥会に参加したいですか?」という質問では、「植物など自然観察を兼ねた探鳥会」が最も多く、現時点で全体の43%を占めます。そうした要望に応えるために開催したのが、今回の観察会。2008年8月以来、6年ぶりの開催です。
当日は今にも雨が落ちてきそうな曇り空。そのせいか参加者も10名と少なめでした。
集合地の京阪私市駅にはツバメの2番子が育っていて、改札口には以下のようなお知らせが掲示してありました。
観察地の大阪市立大学理学部付属植物園は、おなじみの京都府立植物園とは違って、標本植物の展示だけでなく、奥にある小さな山や谷をそのまま生かした自然の植生の中で樹木や草花が観察できます。
今回は、日本産樹木園からスタートして、木と人間の暮らしや文化との関わりなどを説明しながら歩きました。ヤブニッケイでは、この木からとれるニッキの話になり、「そう言えば、子どものころニッキ水を飲みました」と懐かしい話に華が咲きました。
ナナミノキには樹液を吸う虫が集まっています。オオムラサキ、ホシミスジ、カナブン、上の方にはスズメバチも…。樹液バーは大繁盛のようです。
虫が集まるナナミノキに集まる人間
オオムラサキ
林の中にエナガのファミリーやメジロ、シジュウカラ、コゲラなど冬場のカラ類の混群のような群れが登場。樹を見たり、鳥を見たり、忙しくなりました。
コースを歩きながら、数珠や石けんに使うムクロジ、備長炭になるウバメガシ、ビタミン剤の匂いがするクサギなどさまざまな樹木を観察しました。
ヒメシャラ
ムラサキシジミ
ユリノキ広場で昼食を摂った後、ランの一種ツチアケビを見るために照葉樹林帯へ寄り道。水生植物コーナーでアサザやガガブタなどを観察した後、休憩所で鳥合わせ、花合わせをして解散しました。 私市自然観察会 2014年6月21日
●見聞きした鳥 天候: 曇り
ツバメ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、キジバト、ヒヨドリ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、コゲラ、ウグイス、カワラヒワ、スズメ、カルガモ、ハシブトガラス、ハシボソガラス 16種
●観察できた花
木本/キョウチクトウ、ムラサキシキブ、ヤブムラサキ、クチナシ、ナンテン、ヒメシャラ、タイサンボク、アカメガシワ、コマツナギ
草本/ホタルブクロ、ワルナスビ、ノアザミ、ヒメジョオン、ハルジョオン、オカトラノオ、イチヤクソウ、ツチアケビ、ネジバナ、コナスビ、カタバミ、ドクダミ、トウバナ
●チョウとトンボ
オオムラサキ、ホシミスジ、ベニシジミ、ムラサキシジミ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、クロアゲハ、アオシジアゲハ、オオスカシバ、ショウジョウトンボ、オハグロトンボ、コシアキトンボ、オオシオカラトンボ、ギンヤンマ
ツチアケビ
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