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吉兆?凶兆?

フクロウは「福来郎」とか「不苦労」と書いて幸福のシンボルのように扱われ、さまざまなグッズが販売されています。
また、古代ギリシャでは知恵の神とされていたようで、今でも「豆知識」みたいなコラムに大学帽をかぶったフクロウが登場するのはその流れでしょう。

    

ところが、平安時代は全く逆で、災いのシンボルだったようです。例えば、『源氏物語』にはフクロウが3回登場するそうですが、いずれも不吉で恐ろしい鳥として描かれているとのこと。
その一つ「夕顔」では、深夜に新しい愛人の夕顔が急死し、その遺体を前に光源氏が呆然としている時にフクロウが鳴くシーンを、「怪しげな鳥が恐ろしい声で鳴いている。これがあの梟なのだな」と描いています。このほか、「梟は親を食う鳥」という表現もあります。
今はあまり使わないようですが、「梟雄(きゅうゆう)」という言葉があって、「残忍で荒々しいこと」や「悪者のボス」を意味するそうです。
中国で生まれた熟語でしょうが、その中国でもフクロウの評価は時代によって大きく異なるようで、漢代まではフクロウの鳴き声を凶兆としていたのに、その後の唐代には吉兆と考えられるようになったそうです。
これだけ毀誉褒貶(きよほうへん)が相半ばするというか、時代によって評価が激しく変わった鳥も珍しいのではないでしょうか。

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