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ワシは金曜日に飛ぶ

私の好きな音楽ジャンル「ブルース」の中に、『Stormy Monday』というスタンダードナンバーがあります。以下のように、1週間の生活を歌った曲です。
They call it Stormy Monday.(人は嵐のような月曜日と言う)
But Tuesday’s just as bad.(でも、火曜日も悪い日)
Lord, and Wednesday’s worse.(神様、水曜日は最悪)
And Thursday’s all so sad.(そして、木曜日はとても悲しい日)
The eagle flies on Friday.(ワシは金曜日に飛ぶ)
Saturday I go out to play.(土曜日は遊びに行く)
Sunday I go to church,(日曜日は教会へ行って)
Gonna kneel down and pray.(ひざまづいてお祈りをする)
ブルースは虐げられた黒人たちの歌なので暗い曲が多く、この歌詞でも月曜から木曜までは陰鬱です。ところが、金曜日になると唐突にワシが飛びます。
私がこの曲と出会ったのは40年ほど前ですが、以来「なぜ金曜日にワシが飛ぶのだろう?」と疑問でした。最近、ようやくその謎が解けました。
アメリカの1ドル札の裏面には国鳥のハクトウワシが描かれています。そして、この国は週給制なので金曜日に給料が支払われます。つまり、The eagle flies on Friday は「給料日」という意味のようです。

1ドル札の裏面、右に描かれているのがハクトウワシ

それを頭に入れて聴くと、月曜から木曜までは(多分、苦しい労働で)最悪だけど、金曜日に給料をもらって、土曜日には遊びに行く。そして、日曜日には教会へ行ってお祈りを捧げる…という1週間のストーリーとして繋がります。40年来の疑問がスッキリ解決しました。
ちなみに、現在の日本の紙幣には1万円札の裏に鳳凰が描かれているだけですが、以前の1万円札には国鳥のキジが、千円札にはタンチョウが描かれていました。
日本式に歌うと、The Pheasant flies on 25th となるのでしょうが、ブルースにはなりませんね。

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