京都御苑では今年、(1)宗像神社、(2)母と子の森、(3)近衛邸跡の3か所でアオバズクが繁殖した。今年は梅雨期の雨が少なかったためか、ひなの生育が順調で、(1)と(2)では7月20日前後にひなが巣立ち、観察会が開かれた27日には既に巣の付近から他へ移動していて、観察できるのは近衛邸跡だけという状況であった。
集合時間の午後6時、観察会に参加された約30名の方に事情を説明し、満開のサルスベリが美しい宗像神社前から約1㎞北の近衛邸跡に移動した。近衛邸跡のつがいは、雌がオオタカに捕食されたため、ひなの巣立ちが遅れていたが、そろそろ巣立つ頃だという。巣穴のある大きな松の木では、雄親が枝に止まって日暮れを待っていた。午後7時、辺りが薄暗くなってくると雄親が餌取りに飛び立ち、獲物をくわえて巣穴に入った。やがてひな2羽が巣穴から出て、すぐ上の枝に止まった。巣立ちである。とは言っても、アオバズクの場合、ひなはまた巣穴に戻ることもある。
親鳥はせっせと雛に餌を与えている。セミなどの翅をむしってから与えるので、翅がひらひらを落ちてくることもある。7時半を過ぎ、アオバズクの姿がシルエットになったところで観察会を終了、解散した。 2013年7月27日 曇り(Σ)
●見聞きした鳥
アオバズク、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ツバメ、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ 7種
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