氷雨は上がったものの、寒い。濡れたベンチにビニールシートを敷いて、本日の「店」を開く。頭上では、ハシブトガラスの群れが頻りに喚(おめ)いている。今日の結果を悪く予言しているようで。少々不気味である。アオバトが現れたところで、気をとり直して出発。
御苑東北の林に入ってムクノキの芽吹きの遅さに驚く。イチョウの下に何やら多数の細長い実のような落下物に気づく。「イチョウの雄花です」と、声がかかる。イチョウの “精子” は知っているが、その元の花を見たのは初めてだ。己の浅学ぶりが恥ずかしい。シャガもオドリコソウも花をつけた。
近衛池でカワセミの声。しかも、激しく何声もくり返す。繁殖期特有だと思うが、もう一羽のパートナーは確認できず。シジュウカラやヤマガラは活発に歌うが、夏鳥の声も姿もない。と、思いきや「猿が辻」東の高木の鳥をスコープで眺めた仲間が、「エゾビタキ ! 」と叫ぶ。
中山邸のクロガネモチの実は、2月以来絶えてない。ここで、アオジが頻りに囀る。だが、完成歌ではない。しかし、顔がしっかりと黒い夏羽で、英名 Black-faced Bunting の名が相応しい。素直に和訳するとクロガオホオジロとなるのだろうが、その姿とは矛盾していて、頂けない。でも、いまさらホオジロの名は変えられまい。Bunting をホオジロと訳さなければよいのだ。
今日は「母と子の森」の水飲み場に写真屋さんの姿はない。暫く待つと、コマドリが現れて、皆さんを楽しませた。ただし、雄ではなかったのが少々残念。近くの高木にムシクイ類の姿。センダイムシクイだろうか ? また、サメビタキと思しい鳥も現れた。迎賓館の東、梨の木神社の方からキビタキの声。余りにも途切れ過ぎて、多くの方には判りにくかったろう。
大宮御所北の芝生に来て、やっとツグミに出会う。しかも、10羽を超える群れであった。この後、九条池までめぼしい鳥に会わず。
京都御苑早朝探鳥会 2013年4月21日 T.U wrote
●見聞きした鳥
キジバト、アオバト、カワウ、アオサギ、トビ、カワセミ、コゲラ、アカゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、エナガ、センダイムシクイ?、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、コマドリ、エゾビタキ、サメビタキ?、コサメビタキ、キビタキ、スズメ、セグロセキレイ、ビンズイ、アトリ、カワラヒワ、シメ、イカル、アオジ 33種
●咲いていた花
シャガ、オドリコソウ、カイドウ、シダレザクラ、ウマノアシガタ、カンサイタンポポ、アカマツ、クロマツ、フジ、ツバキ、カキドオシ、オオアラセイトウ、ヤマブキ、ウグイスカグラ、オオシマザクラ、フッキソウ、ドウダンツツジ、ハルジョオン、ムラサキサギゴケ、カエデ類
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