悪事や欠点の一部を隠して全部を隠したつもりになっていることを「頭隠して尻隠さず」と言いますが、この言葉はキジの習性に由来するそうです。
キジは追われると草むらに頭を突っ込んで、自分では隠れたつもりでいるのに、尾羽が丸見えになっていることがモチーフになっているらしいです。同じ類で、「頭隠して尾を出す」「雉の草隠れ」という言葉もあります。
下の動画は、逆に私が草むらに隠れて撮ったキジ。気づいていないのか、至近距離で撮影できました。
おもしろいことに、英語にも似たような表現があります。こちらはキジではなくダチョウ。
この世界最大の鳥は、敵が接近すると地面に頭を押し付けるそうです。実際には地面を伝わる音によって敵の接近を探っているのですが、一見すると頭を隠しているように見えるため、「頭隠して尻隠さず」に似た意味に使われます。
例えば、He is hiding his head like an ostrich.(彼はダチョウのように頭を隠している)というように使われるそうです。また、ostrich policyは「現実逃避」という意味。
キジとダチョウに共通するのは、図体が大きいこと、飛ぶのが苦手あるいは飛べないこと。体を隠すのが難しくて頭しか隠せないように見えるからでしょうか。
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