現生人類を「ホモ・サピエンス(賢い人)」と呼ぶのに対して、オランダの歴史学者ホイジンガは「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」と名づけました。人間のあらゆる活動には遊びの要素があるという説です。
しかし、人間だけでなく鳥も遊びます。カラスが電線に止まったまま1回転したり、滑り台で遊ぶのはよく知られていますが、最近、私は小鳥も遊ぶことを発見しました。
その一つの事例がクロジ。毎年冬になると散歩コースの山にやってきて、薄暗い林床で数羽が群れになって動き回っています。
最初は「健気に、一生懸命餌を探しているな~」と思っていましたが、じっくり観察すると、餌とおぼしき丸い実をくわえても飲み込まず、吐き出して地面に落とし、また別の実をくわえては落とすという行為を繰り返しています。
まるで子どもがボール遊びをしているようです。その姿を見ながら、幼い頃「食べる物で遊んだらアカン!」と親に叱られたことを思い出しました。
下の動画では、メスは丸い実で遊んだ後、カマキリを捕食します。クロジは雑食ですが、遊びと食事の対象を切り替えているようです。画像を拡大して確認すると、くわえているのはコジイの実でした。
もう一つの事例はビンズイ。今の時期、京都御苑の草地ではあちこちで数羽の群れが餌をあさっています。次の動画の前半は通常の採餌ですが、後半ではただ落ち葉をまき散らしています。
シロハラは落ち葉をひっくり返して虫を取りますが、ビンズイは草や木の種を食べるので葉っぱをまき散らす必要はないはず。私には戯れているようにしか見えません。カラスだけでなく小鳥も遊ぶんですね。
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Unknown
堀竜夫様
コメントしていただき、ありがとうございます。
クロジとビンズイで「小鳥は遊んでいる」と思いましたが、その後、シロハラの落ち葉ひっくり返し行為も、すべてが採餌のためではなく、単に遊んでいるだけではないか、と思えてきました。
じっくり観察すると、鳥の行動はおもしろいです。また、そんな動画が撮れたら投稿します。